Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

短命議員の言葉遣い

国会議事録の分析から

2019年7月29日の朝日新聞(夕刊)に、短命議員の言葉遣いの特徴という記事がありました。

  • 国会の議事録を分析
  • 1期で消えていく国会議員は、丁寧な言葉遣いが少ない。損得勘定の表現が多い
  • 小沢チルドレンの「教えていただきたい」「教えてください」は自信のなさ
  • 小泉チルドレンの「売れる」「もうかる」「ふやす」の損得勘定の表現が多い
  • 再選される議員は、「いらっしゃる」「伺う」という丁寧な動詞を使う
  • 再選されるのは、官僚出身者や議員秘書経験者が多い
  • 言葉遣いで、再選可能性は6割判断できる

とあります。

 

コメント

言葉遣いで、再選されるかどうかわかるのは、面白いなと思いました。

日本知能情報ファジィ学会誌に、この論文が掲載されています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoft/31/2/31_617/_pdf/-char/ja

 

国会の議事録を、機械学習で分析しているようです。再選可能性は、一般の国会議員よりも、大臣の分析に顕著に出ているようです。大臣の場合は、8割程度の正答率とあります。

一般の国会議員の場合は、大臣よりも、少し相関性が低くなるようですが、動詞については、ある程度の傾向が出たとあります。

 

日本の社会科学の研究では、計算機科学などがほとんど取り入れられておらず、この研究は機械学習を活用している点に、意味があるそうです。

 

国会の議事録は、どの議員であっても、正式なもので、表現も丁寧にしているのではないかと思いますが、このような差が出ているようです。

もし、ツィッターFaceBookまで分析すると、もっと差が出てくるのかもしれません。

 

生の言葉には、その人の人となりであるとか、考えとかが現れるので、それを分析すると傾向が出るということなのだと思いますが、傾向が明確になると、その対策をする人が出てくるかもしれません。

 

すなわち、政党などが1年生議員や、はじめて大臣になる人に、言葉遣いの指導をすれば、問題発生は防げるようになるのではないでしょうか。

 

現状は、本人に任されているので、各議員や各大臣が、自分で考えて、自分の言葉で話をしているので、こういう特徴も出てきて、分析や予測が可能ということなんだと思います。

 

そういう意味では、あまり、この分析を進めてしまって、マニュアル本や対策本が出てしまうようりも、この話は面白い話ですねという程度で、止めておいた方が良い議論なのかもしれません。

 

有権者は、国会での発言だけではなく、選挙での話し方や、日常の言動など、細かい点を良く見ており、自然と当落の判断を行っているのだと思います。有権者が束になると、機械学習に近いものを無意識にやっているのではないかと思いました。