Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

副業の上限規制

これからもめそう(しかし、個人事業主は別)

2019年8月9日の朝日新聞で、副業の上限規制の話が出ていました。

  • 今年4月から、残業時間の上限規制が開始
  • 副業や兼業の場合、過労を防ぐために、合計労働時間が残業の上限を超えると、本業先、副業先のいずれの企業も処罰の対象
  • 企業は、複数社の労働時間を把握することが難しいため、副業や兼業をみとめない可能性
  • 複数社の合計労働時間ではなく、それぞれの企業の残業時間ごとに適用する案
  • これに労働組合が反発
  • 他に、あらかじめ本業と副業それぞれの企業ごとの労働時間を一ヶ月分決め、合計労働時間を管理しやすくする案など

などです。

朝日新聞は、労働時間に焦点を絞っていますが、同日の日経を読んでいると、割増賃金を本業先と副業先のどちらが支払うべきか、についても議論があるようです。

副業の規制緩和 難航へ 労働時間通算、見直しに反対論 :日本経済新聞

 

これに関して、2019年8月11日の日経電子版に、企業へアンケートをしたという記事があります。

  • 多くの企業は所定外労働時間の管理で課題が多いとして解禁には後ろ向き
  • 副業を認めていない企業は85%。企業が消極的なのは、労務管理の不安
  • 週40時間の労働時間を本業と副業の合算で超えると、どちらかの会社が残業代を払う必要
  • 例えばヤフーは同社での時間外労働と合わせ月45時間を超えないことを条件
  • 高島屋は超過勤務を申告
  • ソフトバンク富士通は他社と雇用契約を結ぶことを禁じている
  • 個人事業主なら会社は副業先での勤務時間を把握する必要がなくなり、法的リスクを回避できる
  • 個人事業主だと労働基準法で保護されず、労災対象からも外れる
  • 活躍の場を広げるために副業をしたい人にとっては時間をコントロールできる利点

コメント

労働時間の通算、残業手当、労災、雇用保険など、複数の会社と雇用契約を結ぶ副業は、色々と課題があるようです。

これを解決するには、少し、時間がかかりそうです。

特に、ヤフーの事例にある、同社の時間外労働時間を合わせて、月45時間以内の労働時間となると、残業ゼロの人は45時間の仕事ができますが、残業30時間の人は、15時間しか仕事ができません。15時間で、何かまとまった仕事ができるかというとちょっと難しいのではないかと思います。実質的には、2つの会社に雇用契約を結んでの副業は困難なのかもしれません。

 

一方、個人事業主になると、労働基準法で保護されず、労災の対象にもならないが、残業規制から外れ、この問題がなくなるとすると、多くの人は、個人事業主フリーランス)として仕事をすることになります。

ソフトバンク富士通は、副業は認めるが、他社と雇用契約を結ぶことを禁ずるとあります。

雇用契約書の有無が問題ではなく、雇用契約に入ること自体がNGという意味ですので、副業については、個人事業主タイプしか認めていないことになります。

例えば、コンビニでアルバイトをするなどは、雇用契約書はなくても、口頭での雇用契約自体はありますので、このタイプの仕事は、できないということになります。

 

ヤフーは、ソフトバンクの子会社ですが、だいぶ働き方の考え方が違うようです。

 

ヤフーは、週休3日をするといっていたと思い検索してみました。

ヤフーの制度は、選択制で、仮に土日以外の1日分の休みをとると、有給ではなく、無休になり、給与が下がる制度のようです。厳しい制度のようです。

人が5日でする仕事を、4日でする人が出てきたときに、給与を維持する必要があるかどうかが論点のようです。

「週休3日」は全然楽じゃない!ヤフー人事トップが語るその根本的な理由とは? | 本がすき。

いろいろな企業があるようです。