Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

平等院鳳凰堂のジクソーパズル

差止を求めて京都地裁に提訴

2019年8月14日の朝日新聞に、平等院鳳凰堂の写真を使ったジクソーパズルを販売している東京の玩具会社の「やのまん」に対して、平等院が、京都地裁に販売中止と在庫廃棄、20万円の損害賠償を求めた裁判を起こしているという話が掲載されていました。

  • 鳳凰堂の外観に著作権はない(消滅)
  • 平等院は、パンフレットに「撮影した写真の営利目的使用の禁止」を明記
  • 写真の使用は、商用利用を安易に許可したと世間に誤解され、平等院の社会的評価が低下
  • 鳳凰堂がバラバラにされるの耐えがたいという宗教的な感情
  • やのまんの主張は、写真はプロ写真家のもの
  • 鳳凰堂の写真や図像は10円硬貨や様々な商品に使われ、パブリックドメイン
  • パズルが社会的評価を損ねることはない
  • 近年、利用者側が配慮して、制限を受け入れている状況
  • 疑似著作権と呼ばれ、東京五輪の大会委員会が「東京2020」「聖火」などの言葉の商業的利用を禁じているのも類似の動き
  • 文化財は共有財産であるという感覚が希薄

というような記事です。

 

コメント

良く聞く説明は、写真には、撮影した写真家の著作権はある。例えば、東京タワーやスカイツリー著作権があったとしても、外にあるものであり、誰が写真をとっても構わない。しかし、写真を複製すると著作権侵害になる。

一方、社寺の中にある仏像や絵画を写真に撮ろうとすると、社寺の敷地に入る必要がある。外からは撮れない。社寺に入るときに、入場料を支払い、契約するが、その契約の中に、写真を撮らないとか、撮った写真の利用方法は制限があるとかの契約が成立しているかどうかが焦点。

 

というような説明です。数年前に平等院に行きましたが、入場料を支払うと、敷地内に入れて、自由に平等院鳳凰堂の写真は撮れました。

 

それを使ったコンテンツも沢山販売されているようです。

 

今回は、正式にやのまんから申し入れていなかったと思われますので、裁判になったのだと思いますが、もし、申し入れがあったとして、平等院は、ジクソーパズルだから、NGとしたのかは、不明です。

 

アマゾンで、「ジクソーパズル」「寺」で検索すると、金閣寺清水寺厳島神社、今回の平等院鳳凰堂のものまで、販売しています。

バラバラにされるのは宗教的感情云々は、説明のために考えた言葉のような気がします。三千院のジクソーパズルを作ったことがありますが、三千院のデザインが好きなので買いました。

平等院鳳凰堂のデザインが好き、写真が綺麗というのは、悪くない話だと思います。

 

しかし、平等院としては、一旦、こぶしを振り上げてしまっていますので、どのように決着をつけるのかなぁという気がします。

本当に、バラバラにされるのは耐えられないのであれば、すべての平等院鳳凰堂のジズソーパズルを販売禁止にしないと首尾一貫しません。

 

清水寺は、拝観自由なので、撮影禁止や写真利用の制限がかけにくいのですが、金閣寺銀閣寺は敷地に入らないと写真はとれません。ジグソーパズルを認めているのは、広告になれば良いということなんだと思います。

 

世の中には、静謐な環境の維持のため、拝観禁止にするようなお寺もありますが、平等院鳳凰堂でそれをいうのは無理があります。この点は、パブリックドメインです。

平等院鳳凰堂が本気で止めたいなら、パンフレットに注意書を明記するだけでなく、明確に写真家に伝わるように、大きな掲示をするとか、必ず口頭で説明するとか、そんな手段を講じることが、求められそうです。