創通を完全子会社化
2019年10月12日の日経に、パンダイナムコが創通を完全子会社化して、ガンダムの版権を完全掌握し、アジアへの攻勢をかけるという記事がありました。
バンダイナムコ、ガンダム版権を完全掌握 創通を完全子会社化 アジア攻勢へ機動力アップ :日本経済新聞
- バンダイナムコが、ジャスダック上場の創通に、約350億円でTOB(株式公開買い付け)。完全子会社化へ
- 機動戦士ガンダムの版権を完全掌握
- ガンダムの版権は、制作を担当したサンライズと、テレビアニメをプロデュースした創通にある
- 創通は、版権管理。ガンプラなどの関連商品の権利を持つ
- サンライズは、映像や出版に関する権利を持つ。サンライズは1994年にバンダイ傘下に
- 映像と関連グッズにまたがる事業では、創通とサンライズが都度協議必要。これがスムーズになる
- バンダイナムコは、創通に23%出資し、持ち分法適用会社
- 一般的なTOBは3割程度の市場プレミアム。今回は6割。そのため、のれん代が180億円資産に計上。5年償却。
- ガンダムの売上は、年間700~800億円。営業利益率は10%から15%
- 創通の収益も上乗せされるため、投資家は評価
- 海外売上比率は、約2割。これを5割にしたい。中国事業は、2021年に300億円を目指す
コメント
今回のTOBに長文(色々入れて、全部で45ページ)のリリースが出ていますが、読めていません。
創通のWebサイトに、創通のビジネスモデルの説明が出ています。
沿革に、創通は、
読売巨人軍より専属代理店(現・指定代理店)の指定を受け、球団グッズの企画及び販売、版権の契約代行及び管理業務を開始
とあります。
また、事業内容については、
「アニメーション番組の企画・制作から、キャラクター商品のプロモーションまで」
私達は、放送局から放送時間枠を買い切り、アニメ制作会社とともにアニメーション番組を企画・制作し、スポンサー企業を集め、製作委員会の組成を行うといったプロデュース業務を行っています。
また、アニメーション番組を創ることでキャラクターの版権を保有し、パートナー企業にキャラクター商品のプロモーションやキャラクターを使用した販促キャンペーン、キャラクターイベントの企画・提案を行っています。
とあり、アニメの企画、制作といったプロデュース業をしながら、版権管理をして、キャラクタービジネスをする会社のようです。
まるで、ファブレスの研究開発会社のようなものであり、知財ビジネスの最先端ビジネスモデルのようです。
さて、創通のWebサイトは立派なものですが、会社概要をみて驚きました。従業員が35名しかいません。
売上高150億円程度のビジネスを、35名で出来るのかと思いました。
権利が複数にまたがることを前提に、緊張感を持ちながら、当事者がその調整を上手く行うことで、一か所に権利があるよりも良い結果を生み出すこともあると思うので、権利が複数に分かれることが必ずしも悪いことではないと思います。
ただ、海外に本気で出ていくなら、著作権が複数に分かれているのではなく、一本にした方が、侵害対策という面では良いような気はします。
いつかは必要なことだったのではないでしょうか。