Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

企業におけるイノベーションの重要性

王子ホールディングスのイノベーション推進

知財管理誌の2019年10月号の巻頭言に、王子ホールディングスの横山勝専務グループ経営委員、イノベーション推進本部長の、上記のタイトルの話が載っていました。

横山専務とは、以前の会社で、少しだけ接点があり、今年はご縁があり、何回かお話しさせていただき機会があったので、非常に興味をもって読ませていただきました。

 

会社の紹介、製紙業界を取り巻く環境、王子グループの変革、自身が本部長を務められているイノベーション推進本部の役割があります。特に、セルロースナノファイバー(CNF)はサスティナブルな新素材として開発に注力しているとあります。

 

そして、この説明のあと、企業におけるイノベーションの重要性と、組織論が述べられています。

 

企業におけるイノベーションの重要性においては、自身が変わり続ける(変態し続ける)企業だけが生き残れるとして、「情報」は「紙」で取り扱われてきたが、デジタル化の時代、「情報」が多様化し、業態の変化が必要とされています。

既成概念にとらわれないイノベーションにより、新たなビジネスモデルの創造が不可欠とあります。

 

最後に、組織論ですが、ここが面白いと思いました。

  • Leader:ビジョン・戦略・方針を示し、見えない大陸を指さす
  • Manager:高い課題に対して、なんとしてもやり切れる力を持ち、確実に成果をもたらす
  • Specialist:専門性を発揮し、本質を見極めた上で、経営者に分かりやすい言葉で伝えることができる
  • Examiner, Analyst:更に混とんとした状況を整理して説明する力を持つ

この4つを備えたプロフェッショナルな集団で、根幹として「志し」を持つことが最も大切とあります。

 

志を持つことは、ブランドマネジメントでも最も重要なことですので、すんなり腹落ちしました。

LeaderとManagerは、よく聞くような話かもしれません。

 

Specialistの分かりやすい言葉で伝えることができるという点や、Examiner、Analystの混とんとした状況を分析し説明する能力をSpecialistとは別に特だししているのは、ユニークな点です。

 

昔、2年間ほど、東大の先端研で、理工系の先生の話を聞く機会がありましたが、皆さん、文科系の私が聞いても十分理解できるように分かりやすく話をされます。

 

また、ブランドマネジメントにいると、マーケティングリサーチが身近ですし、自分はできないまでも、周りでやっているのを見ていると、これは大変難しい仕事だけれども、重要だなと思いました。

 

Examinerというと知財の人は、特許庁の審査官を直ぐに想起しますが、英辞郎によると、

  1. 試験官{しけんかん}、試験{しけん}する人、審査官{しんさかん}、調査官{ちょうさかん}、検査員{けんさいん}、検者{けんじゃ}、試験{しけん}[調査{ちょうさ}]委員{いいん}
  2. 《特許》審査官{しんさかん}
  3. 〈日〉《税務》国税実査官

とあるので、試験官、調査官、検査官というような意味でしょうか。

 

知財ばかりだと、examinerの本来の言葉の意味も取り違えてしまいます。