フランスメディア団体の訴え
2019年11月22日の朝日新聞に、グーグルが自社サイトに新聞社などの配信記事の一部を表示してることについて、著作権料を支払うようフランスメディアや組合が、フランスの競争委員会に訴えたという記事がありました。
- 2019年10月24日に施行された改正フランス著作権法は、報道機関のニュースをIT企業が配信する際に、対価の支払いが必要
- グーグルは9月に声明を発表。グーグルのサイトには記事のリンクやタイトルしか表示しない
- 改正著作権法では、リンクや極簡単な引用は違法とされていない
- 改正フランス著作権法は、EUが4月に改正した著作権指令によるもの
- 加盟国は2年以内に法制化する必要がある
これに関連して、
- 日本では、ヤフーなどのニュースサイトは記事を配信する際に対価を支払っている
- グーグルは、日本では見出しだけを掲載
などとあります。
コメント
EUの改正著作権法指令について、EU MAGに説明がありました。
http://eumag.jp/questions/f0819/
なお、個人については、別のようです。
報道記事の利用に関する新しいルールは、ニュースアグリゲータ(ネット上にある報道各社のサイトから、読者に関心があると思われるニュースを自動選別し、まとめて表示するサービス)などの営利事業者にのみ適用され、ユーザーには適用されません。つまりユーザーは、今後もソーシャルメディアなどでコンテンツを共有し、リンクさせることができます
さて、グーグルが変更した、リンクや、タイトルも違法になるのでしょうか?
記事の一部なら、著作権侵害になり、制作者側がグーグルに対価請求するのは、まだ理解できるのですが、リンクまで違法にすると、Webそのものの否定になりそうです。そこまで言う人は、ほとんどいないように思います。
タイトルも、保護を受ける著作物の創作性は、案外レベルが高いので、余程の名文タイトルでない限り、著作権自体が成立してないのではないかと思います。ちなみに、日本の俳句のようなものが世界最短の文学といわれます。
欧州は、アメリカのGAFAに対抗するために、個人情報保護、データ利用規制、著作権法などを活用しているようですし、これもその一環のようです。
グーグルやヤフーには適用して、個人には適用されないというのは、少しスッキリしないものがあります。
朝日新聞の記事によると、リンクやタイトル程度は良いとあり、グーグルがそのように変更をしたとあります。
しかし、そうであれば、フランスメディアや組合は、グーグルに何をしてほしいとして、競争委員会に訴えたのか良く分かりません。
考えられるのは、グーグルに対価を支払って欲しいと思っていたのに、グーグルが報道機関と契約してお金を支払う道を選ばずに、無償でできるリンクやタイトルだけという道を選んだので、グーグルに話合いのテーブルに載って欲しいというのが背景ではないかと思いました。