1760億円で買収
2019年11月末の新聞では、LVMHによるティファニー買収が話題になっています。
朝日新聞と日経新聞を見たのですが、2019年11月25日の朝日新聞の夕刊に続き、LVMHとしてのメリット、ティファニーとしのてメリットの分析の他、LVMHの会長の人となりなど、各種の記事がります。。
(2019年11月26日の日経)
ティファニー買収合意 LVMH、1.7兆円で 宝飾品事業磨く :日本経済新聞
- 買収総額は、約162億ドル(約1兆7600億円)
- ティファニー買収で、売上高は、6兆円を超える
- LVMHの高級時計・宝飾品の売上割合は1割弱。宝飾品の強化が課題
- ティファニーはオープンハートなど10万円以下の宝飾品が充実。エントリーライン
- ティファニー側の利点は、他の高級ブランドが大手グループに入るなか、広告費の捻出が難しくなってきたこと
- LVHMのティファニー買収は、10年以上前から定期的に噂
(2019年11月26日の朝日新聞)
- ファッション界は3大グループに集約
- ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオールのLVMH。グッチ、サンローランなどのケリング。カルティエなどのリシュモン
- 老舗ラグジュアリーブランドは、70年代までは富裕層が相手の小商い
- 90年代後半から売上が急増
- アメリカで経営学を学んだアルノー氏が、知名度は高いブランドの潜在的価値に着目(もともとは不動産業)
- 立ち枯れ状態のブランドを次々と買収。経営改善
- 服よりも、バック・靴へ。そして、宝飾品へ。宝飾品では、リシュモンが強い
- ティファニーは、ニューヨークの高級ブランドの象徴。アメリカ市場へのてこ入れ
- ティファニーのインターブランドランキングは83位から94位へ。マイナス5%
- 残る独立系ブランドは、エルメス、シャネル、バーバリー、ラルフ・ローレン
(2019年11月27日の日経)
帝国築いた「資本の論理」 剛腕LVMH会長 「カシミヤを着たオオカミ」、ティファニーを傘下に :日本経済新聞
- ベルナール・アルノー会長は「カシミアを着たオオカミ」
- 知名度は高いが、一時的に苦境に陥っているブランドを安値で買い、再生させて資産価値を高める
- 買収後に新鋭デザイナーを大々的に宣伝。旗艦店と直営店で新作を披露
- 宝飾品のブルガリを8年前に買収。時計・宝飾品部門の飛躍へ
- ティファニーはブルガリよりも低価格帯で、食い合いがなく、相乗効果が期待
- ティファニーは、米国、世界で多くの直営店
- 知名度は抜群。オードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」
- 残る独立系ブランドは、シャネル、ロレックス
(2019年12月1日の日経)
(このヒト)LVMH会長 ベルナール・アルノーさん ブランド帝国、最大の買い物(写真=ロイター) :日本経済新聞
- 社会党政権が嫌で米国移住
- ニューヨークのタクシー運転手にフランスについて質問
- 「クリスチャン・ディオールだけは知っている」
- この経験からブランドビジネスに目覚めた
- 2017年の日経インタビューで、「世界規模の人の購買力や生活水準は確実に上がって、質の高い商品への欲望は拡大し続ける」と談話
コメント
情報が沢山あります。
ロングリストで、ティファニー買収のチャンスをで狙っていたようです。また、LVMHは宝飾品の強化が課題だそうで、その戦略に合致しています。
米国ブランドを買収することで、米国市場へのてこ入れができるという点も、戦略的だなと思います。
ティファニーからすると、広告費の調達などで、大手傘下に入ることは意味があるようです。
新鋭のデザイナーを入れて魅力ある商品を作り、宣伝を通じて活性化される手法は、リブランディングの教科書のようです。
朝日新聞に記載があったのですが、3大グループになって、商売を重視しすぎる、グループ内の商品が画一化する、という批判があるそうです。
ブランドは、別々に残っている中での、商品の画一化というのはどうしてだろうと思います。
グループではない場合、意匠権侵害や不正競争にならないように配慮するところが、同じグループの場合、訴えられることがないので、知財管理が甘くなる可能性はあります。
資金管理や、経営管理、人事制度、品質管理制度などは共通化していくのは分かりますが、商品企画にまで、アルノー氏やLVHMの直接的な指示があるとも思えません。
しかし、直接的な指示はないとしても、社長やデザイナーの選択が影響するのかもしれません。あるいは、経営管理の手法を共通化する事が、ブランドにも影響するのかもしれません。