辞書の視点で選ぶと
2019年12月5日のIT Media ビジネスオンラインの記事で、三省堂の「今年の新語2019」の記事を読みました。
今年の新語、大賞は「−ペイ」 トップ10入りしたビジネス関連語は? - ITmedia ビジネスオンライン
- 大賞:-ペイ
- 2位:にわか
- 3位:あおり運転
- 4位:反社
- 5位:サブスク
- 6位:電凸
- 7位:カスハラ
- 8位:垂直非難
- 9位:置き配
- 10位:ASMR
- 選外:タピる、ワンチーム
- 特別賞:令和
コメント
三省堂のサイトに詳しく説明がありました。
個人的に意味が理解できなったのは、6位の電凸、9位の置き配、10位のASMRです。
6位の「電凸」は、
メディアや団体などへの「電話突撃」のこと。「凸」は「突」の当て字です。2004年に生まれたとされ、ネット掲示板などで長らく隠語として使われてきました。攻撃する側の暗い自己満足が感じられることばでもあり、一般人は使う機会がありませんでした。
だそうです。
9位の「置き配」は、
宅配する際に、品物を対面して渡すのではなく、指定された場所に置くことで配達すること。
10位の「ASMR」は、
【ASMR】〔←Autonomous Sensory Meridian Response=自律感覚絶頂反応〕聴覚や視覚への刺激によって、脳に快感を覚える反応・感覚。
主にインターネット動画を通してひろまり、タイピング音や咀嚼(ソシヤク)音など様々なものがある。〔聞きようによっては雑音にしか聞こえないものも多い〕
「置き配」はなんとなく見たこともあるかもしれないのですが、「電凸」(でんとつ)とASMRは、はじめて見ました。
「電凸」は読み方さえ分かりませんでした。
現代用語の基礎知識では、「ワンチーム」が新語・流行語大賞になっているのに、こちらでは選外というもの面白いところです。
このあたりは、次のように説明されています。
今回は「タピる」「ワンチーム」が選外となりました。「タピる」は、タピオカドリンクの大ブームとともに、しきりに使われました。ただ、ブームはいつまで続くか分からず、「タピる」が今後とも使われるかどうか、現時点では判断できません。また、「ワンチーム」は、ラグビーワールドカップ日本大会で、一丸となって戦うチームの意味で使われました。今後「一致団結」に代わって定着する可能性はありますが、現在のところは、まだ流行語的な色合いが強いと考えられます。
「流行語」とは一線を画しているようで、「新語」として 辞書に載せるかどうか(長期にわたって使われるかどうか)という視点のようです。
募集用のコピーには、次のようにあります。
辞書のトップメーカーである三省堂が、
「今年の新語2019」を選んで、後世に遺します。皆様から2019年に「よく見た」「よく聞いた」言葉を募り、
その中から辞書を編む専門家が「今年の新語2019」を審査・選定します。ベスト10に選ばれた言葉には
国語辞典としての言葉の解説(語釈)をつけて発表します。さあ、あなたも「今年の新語2019」に応募してみませんか。
サイトには、2015年からの昨年までの「今年の新語」が掲載されていました。
今でも使っている言葉が多いのが、現代用語の基礎知識の新語・流行語とは違う、三省堂の今年の新語の特徴でしょうか。
ただ、毎年、あまり聞いたことがない言葉があるなという感じはします。
2018年の「モヤる」「わかりみ」
2017年の「オフショル」
2016年の「エモい」「スカーチョ」
2015年の「じわる」「とりま」
解説を見ないと、意味が良く分かりません。