ジェット機、電動飛行機、プロペラ機
2019年12月2日の日経に「飛び恥」の話が出ています。
「飛び恥」地球を救えるか 航空のCO2、新たな課題 :日本経済新聞
- KLMオランダ航空が「責任ある航行」というビデオを制作
- 「飛行機の代わりに電車で移動することはできませんか?」「いつも直接会って話をする必要がありますか?」
- グレタさんが「飛び恥」という言葉を流行させた(※スウェーデン語でフッリュグスカム=flygskam、英語でフライング・シェイム=flying shame)
- オランダ議会は電車で移動できる距離(170㎞)のアムステルダムーブリュッセルの空路の廃止を決議
- ロンドンーロスアンジェルス間のCO²の排出量は、2名で5.7トン(エコノミー)、9トン(プレミアムエコノミー)
- 英国の平均世帯の年間排出量8.1トンに近い
- 航空機輸送は伸び続けている
- 対策はバイオ燃料、排出枠の購入、新技術の導入(航空機の電動化)
というような内容です。
コメント
飛び恥については、NHKもまとめています。
ビジネス特集 逃げ恥、飛び恥、赤っ恥~飛行機に乗るのは恥ずかしい? | NHKニュース
欧州では、天然ガスさえ規制の対象になりそうだそうです。最後は、自動車メーカーに課徴金を課すなど、技術開発をするメーカーの力を削ぐのは問題という日経らしいまとめです。
航空機の電動化はできるのか、疑問に思いました。ジェットだから速いのであり、電動化するとプロペラ機に戻るのではないか?という疑問です。
JAXAのページに、電動航空機の特集がありました。
イメージ図を見る限り、プロペラ機です。
技術的な説明としては、自動車のようなピュアエレクトリック方式では推力が不足し、小型機は可能でも、旅客機は無理だそうです。
そのため、旅客機は、ジェットエンジンを使って電気を発生させプロペラを回すようなタイプのハイブリッドになるようです。
ふくちゃんのブログをみたところ、現在の旅客機用のプロペラ機は、自動車エンジンのようなレシプロエンジンではなく、ジェットエンジンを使って動力を得て、プロペラを回しているそうです。
それでも、プロペラ機の燃料効率はジェット機よりは、30%~40%良いそうです。
伊丹空港ではプロペラ機が頻繁に離着陸。!ジェットエンジンかプロペラ機か⁉️ - ふくちゃんのブログ:飛行機&風景写真
プロペラ機のスピードって、遅いのでは?と思ったのですが、同ブログによると、
ボンバルディアQ400の最大巡航速度は時速667kmで、ほぼ同規模のジェット旅客機エンブラエル170の最大巡航速度マッハ0.82の約1.3倍ほどの差とあります。
実際の所要時間は、例えば、伊丹空港から鹿児島空港までの時刻表では、E170による 便が1時間15分なのに対してQ400による便は1時間25分とあります。
時間的には大して変わりません。
(※今夏、函館から札幌を飛行機で移動したのですが、ボンバルディアQ400であり、快適でした)
一番の問題は、プロペラ機は人気がないことだそうです。
しかし、これは広告や広報の力で改善できるような気がします。「飛び恥」の議論は、プロペラ機に追い風であるように思いました。
水素を使ったものは、水素を燃料電池として使うものと、水素エンジン(内燃機関)があるそうですが、水素エンジンはまだまだ時間がかかる感じです。
当面、ジェット機ではなく、プロペラ機(主流はターボプロップエンジン)にするだけでも、意味があるように思いますが、どうでしょうか。
一度に輸送できる人の数を別にすると、伊丹ー羽田間もQ400で十分そうです。開発中のMRJには申し訳ないですが、国内便はプロペラ機で十分なように思います。