Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

「INFINITI」から「NISSAN」へ

国内でのエンブレムの統一

2020年1月28日の日経に、日産自動車が日本国内で販売する乗用車のエンブレム(紋章)を「NISSAN」に統一したという記事がありました。

日産、国内エンブレム統一 インフィニティ→NISSAN :日本経済新聞

  • フーガなど高級セダンは、「INFINITI(インフィニティ)」のエンブレムだった
  • これを「NISSAN」に変更
  • 次世代技術を訴求するブランド戦略
  • 元会長のカルロス・ゴーン被告は、世界展開を重視し、約50の国・地域で「NFINIFI」、新興国では「DATSUN」を採用。3ブランド展開
  • スカイライン、フーガは「INFINITI」だった
  • しかし、スカイラインは技術の「日産の日産」の象徴としてエンブレムを「NISSAN」に変更
  • 安全性能を向上させた新型フーガも「NISSAN」に変更

コメント

日産のWebサイトを見たところ、昨年末に、フーガの改良車種のニュースリリースで、少しだけ言及されています。

日産自動車、「シーマ」と「フーガ」の仕様向上を発表

なお「フーガ」は、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を具現化する先進安全技術の更なる進化に伴い、ブランドバッジを「日産」にいたしました。

あまり、大々的に、ブランド戦略変更とまではしていないようです。

日産のグローバルWebサイト(日本語)のヘッダーには、NISSANINFINITI、DATSANの3つのエンブレムが、横に並んでいます。3ブランド戦略は変わらず、ただ、INFINITIの展開国から日本が外れただけという位置づけのようです。

 

Wikipediaによると、日本では、INFINITIという独自の販売ルートはなく、エンブレムだけ「NISSAN」ではなく「INFINITI」として販売していたとのことです。

日産は、「世界水準で創られた高級車としての証しとしてでありブランドそのものの日本投入を意味しない」としていたそうです。

また、日本市場では、フロントグリルのバッチこそ「INFINITI」だったようですが、リアガーニッシュには「SKYLINE」「FUGA」のバッチがあり、車名も「日産・スカイライン」「日産・フーガ」ということだったようです。

インフィニティ (日産自動車) - Wikipedia

 

トヨタ自動車の「LEXUS」は完全に販売ルートも違いますが、そこまでは、本格導入していなかったようです。

 

2015年頃までは「INFINITI」の強化の方向だったようです。日本でも「INFINITI」を積極展開する手前だったのではないかと想像しました。

そこまでしないと、フロントグリルに「INFINITY」のエンブレムを付ける理由がわかりません。

 

一般的に考えると、日本では日産の体力があるので、複数ブランドの展開もやりやすいように思いますが、それよりも今は、日本ではコーポ―レートブランドのNISSANブランドの強化が一番重要な時期になっているということなのだと理解しました。

 

日本がNISSANになるとすると、海外のINFINITIなり、DATSUNブランドの展開は、どうなるのか?という気もしてきます。日本がINFINITIを強化すると海外のINFINITIも輝きます。長い目で見る、NISSANブランド一本化の方向なのでしょうか?

 

Wikipediaトリビアが記載してありました。日産の「INFINITI」の綴りは、英語の「INFINITY」ではなく、イタリア語の「INFINITI」ということです。

知りませんでした。

 

ちなみに、コーセーの化粧品に「INFINITY」というブランドがあるようです。検索で出てきました。

 

INFINITI」を検索すると、日産のINFINITIが一番に出てきます。

「INFINITY」を検索すると、コーセーのINFINITYが一番に出てきます。

カタカナ「インフィニティ」でも、コーセーのINFINITYが一番に出てきます。

 

検索的には、あまり有利な状態ではありません。

J PLT PATでは、コーセーの「INFINITY/インフィニティ」(登録第4613879号) は、2001年出願、2002年登録とあります。

どのあたりから使われているかは、良く分かりませんが、もう相当長期に併存しているようです。

 

イタリア語の綴りに変えて個性は出していますが、既存の言葉ではあるので、造語ほど強いものではないようです。