英国民がEU域内で国籍を取得する動き
2020年1月31日の朝日新聞で、BREXITの影響で従来はEU域内であれば自由に渡航できた英国民が自由に移動できなくにりなり、対策としてEU域内の別の国の国籍や旅券を取得する動きが加速しているという記事を見ました。
英国民であっても、先祖がアイルランド人であったりする人は多く、また、ナチスの迫害を受けて英国に渡ったユダヤ系の元ドイツ人などもいるようです。
この二重国籍ですが、日経の記事をみていると、例外的なものではなく、認める国も多いそうです。
2018年10月23日の日経デンシバは、大坂なおみ選手が二重国籍ということから書かれた記事のようですが、それによると、日本にも89万人の二重国籍者がおり、世界には二重国籍を容認する国も多いとあります。また、経済的には、二重国籍者はビザが不要になるなど、メリットがあるとしています。
二重国籍、日本に「89万人」 世界は容認、企業に利点|出世ナビ|NIKKEI STYLE
アメリカで生まれた日本人は、日本国籍とアメリカ国籍を取得しますが、22歳の選択時に日本国籍を選択すると、日本国はアメリカ国籍を放棄したと考えるようですが、アメリカは放棄していないと考えるようです。
血統主義と出生地主義の考え方の違いです。昔、国際私法の授業で習った記憶があります。
アメリカは出生地主義と理解していましたが、欧州は血統主義で、血統主義の国は二重国籍を認めないものと思っていました。
しかし、この日経の記事や、朝日新聞の記事によると欧州は、二重国籍に寛容なようです。そうなのかという感じです。
では、二重国籍万歳かというと、そうでもないようです。
例えば、2018年1月24日の朝日新聞によると、オーストラリアでは二重国籍者は国会議員になれないという憲法の規定があり、これが原因で失職する国会議員が多数いるとの記事があります。
他国のスパイに、国の重要機密が渡ることを防止するという意図でしょうか。
父が英国民で、自分が生まれたのはオーストラリアであり、本人はオーストラリア人と思っていても、英国民という国籍を自動的に引き継いでいるそうです。
記事には、人口約2340万人のうち1千万人ほどが二重国籍の可能性があるとあり、これはこの憲法の規定はやめた方が良さそうな感じです。
どちらにしても、国籍の問題は簡単ではありません。
現在、英国民は、比較的自由に他国の国籍や旅券を取得したりしているようですが、BREXITが本格始動すると、どのようになるのかなと思います。