新型コロナウイルスの肺炎の名称決定
2020年2月12日の日経電子版で、WHOが新型コロナウィルによる肺炎の名称を、「COVID-19」に決定したという記事を見ました。
新型肺炎の病名「COVID-19」 WHO発表 (写真=ロイター) :日本経済新聞
- 世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの感染による肺炎の名称を「COVID-19」に決めた
- 風評被害を避けるため、地名など固有名詞は含めなかった
- 「コロナウイルス」と「病気」の短縮形に、感染発生年の「2019年」を組み合わせ
- 風評被害などへの懸念。地理的な名称などは組合せなかった
- 2009年に流行した新型インフルエンザは当初「豚インフルエンザ」という名前が広く使われた。養豚産業が打撃を受けた
同日のAFP BBにも、記載があります。
- 中国で発生した新型コロナウイルスの正式名称を「COVID-19」とすると発表
- COVIDの「CO」は「corona(コロナ)」
- 「VI」は「virus(ウイルス)」
- 「D」は「disease(疾患)」
- 「19」は最初に流行が確認された2019年12月31日の年を表す
- 「スティグマ(負のレッテル)」の回避を目指す国際勧告に準じて命名
同日の共同通信によると、
とあります。
コメント
WHOが、新型コロナウイルスの名称を命名していないということが、話題になっていたので、やっと決まったのだと思いました。
何はともあれ、決まって良かったということと、風況被害を防ぐため地名などは入れないことなど、国際機関もネーミングには気をつけていることがわかりました。
「豚インフルエンザ」などと言われると、豚肉の消費が落ちて生産販売者が困ったということは容易に想像できます。
どの世界も、ネーミングには色々と気を遣うようです。
スティグマ(stigma)という単語も、知りませんでした。
共同、時事、日経などは、「新型コロナウイルスによる肺炎」の名称としていますが、AFPは「新型コロナウイルス」の名称としています。大差はないですが、どちらが正しいのかなと思いました。
もう一つ、表記に関して「ウイルス」の「イ」は小さい「ィ」ではなく、大きな「イ」という点です。これは日本語表記の決まりのようです。
Wikipediaによると、綴りは同じ「virus」を、
ラテン語では、ウィールス
イタリア語とドイツ語では、ヴィールス
スペイン語では、ビールス
フランス語では、ヴィリュス
英語では、ヴァイラス
と発音するようです。
昔は、ビールスと言っていたように思いますが、これは医学用語ですので、ドイツ語のヴィールスの影響でしょうか。
日本語では、「ウイルス」と大きな「イ」であることと、英語読みの「ヴァイラス」を覚えておく必要がありそうです。
当たり前ですが、病名も商標登録の対象ではありません。商標の世界にいると何でも商標登録の対象になりそうな錯覚に陥りますが、そんなことはありません。ただ、サービスマーク登録制度が入って、線引きが難しくなってきているのだと思います。