決算が市場予想を下回る
2020年2月14日の日経(夕刊)の株式の欄で、サンリオ株が急落し、一時前日比10%安になったという記事がありました。
(話題の株)サンリオ ライセンス収入落ち込む 新型肺炎の影響も警戒 :日本経済新聞
- 約5ヶ月ぶりの安値
- 2019年4月~12月の連結決算で営業利益が前年比約4割減少
- 国内の物販やテーマパークは好調
- 利益率の高い中国や欧州のキャラクター使用のライセンス収入が減った
- 中国は取引先が上位3社に偏重
- 欧州でも他キャラクターとの競合
- 自社製品の7割を中国で製造。生産再開のめど立たず
- 新型肺炎の影響も
とあります。
コメント
新型肺炎の影響は多くの会社でこれから出てくると思いますので、それはどこも同じだと思います。
さて、サンリオは、ピューロランドは好調だという記事を最近見たので、キャラクターライセンスも上手くいっているのかと勝手に想像していました。
ピューロランド再建した女性館長 どん底の半生実る :日本経済新聞
キャラクターライセンスビジネスは、商標やブランドの関係者にとっては憧れの分野です。自分で製品を作って販売するのではなく、他人が製品を作って販売して、そのキャラクターの販売に応じて、ライセンス料を徴収するので、直接的なリスクがありません。
売れるキャラクターは限定されていますが、ハローキティなどサンリオのキャラクターは人気があり、この人気の維持がサンリオの仕事であり、キティの露出を継続的に強化するために、ピューロランドや物販店があるのかなと思っていました。
Business Insiderの記事を読むと、ライセンス料の収入が落ち込んでおり、特に海外が落ちているとあります。
サンリオ、歯止めかからぬ「業績下降」。ピューロランド「V字回復」だけでは焼け石に水 | Business Insider Japan
こちらの記事の中で、アニータ・エルバース著『ブロックバスター戦略』が紹介されています。98%の利益は2%の強力なコンテンツによって獲得できるという「98対2」の法則というものがあるそうです。
当時、サンリオはキティをブロックバスターにしようとしていたとあります。ライセンスビジネスを推し進めていた元常務の方のインタビュー記事が引用されていました。
「(コンテンツ系企業の性質として)コンテンツそれ自体のパワーが強力なため、どうしても魅力的なキャラクターをつくること、それを展開する売り場環境などばかりに目が向いてしまいます。でも実際には、生産から販売までの戦略をどのようなステップでつくっていけるかが、結果をまったく違うものにするのです」
キャラクター作りや売り場よりも、生産から販売までの戦略をどう描くが重要としています。
ライセンスビジネスでは、生産から販売というところは、ライセンシーに委ねる部分ですが、その戦略を描くとはどういう意味なんだろうと思いました。
結局、ライセンスビジネスといっても、任せっぱなしはダメということなのでしょうか。
ちなみに、この元常務は既に退社されているようです。