民事司法制度改革 最終報告
2020年3月11日の朝日新聞に民事司法制度改革の最終報告についての記事がありました。
- 政府が3月10日に民事司法制度改革の最終報告書まとめ
- 民事司法制度の国際競争力強化が目的
- 民事裁判手続きのオンライン化と知的財産権訴訟の改革
- 各省庁が報告書を元に具体策を実施
- オンライン化で迅速な裁判。日本の裁判所を活用してもらう
- より多くの判決を公開
- 実施には5年
- 知財面では、侵害判断と損害賠償の算定を分ける二段階訴訟の導入
- 懲罰的損害賠償
- 専門家による裁判所への助言制度
- 弁護士費用の敗訴者負担、など
- その他、仲裁制度の活用や国民生活センターの越境消費者センターの職員増員など
となっています。
コメント
内閣官房のWebサイトにまとめが掲載されています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/minjikaikaku/dai3/gaiyou.pdf
パワーポイントを見ると、知財については、次のような項目でした。
・二段階訴訟制度の導入
・損害賠償の見直し
・アミカスブリーフ、アトーニーズ・アイズ・オンリー。弁護士費用の敗訴者負担の導入
・知財調停の活用・充実
・知的財産高等裁判所の大合議制度の拡大
アミカスブリーフというのが専門家による助言で、アト―ニーズ・アイズ・オンリーは営業秘密の取り扱いのようです。
知財高裁の大合議制度の拡充というものもあるようですが、中国のように知財の最高裁のようなものを作るのでしょうか?
重要なものは、二段階訴訟と懲罰的賠償です。
特許庁の資料を見ると、二段階訴訟はドイツの制度にあるようです。
また、懲罰的賠償は、米国、台湾、韓国、中国にあります。
朝日新聞の記事では5年とありますが、これは民事裁判のオンライン化の完了の時期でしょうか?
知財裁判の改革については5年は遅すぎるのではないかと思いました。
韓国の確認審判制度は非常に良いと思いますので、判定制度の拡充が望ましいと思うのですが、裁判所に人気がないのか議論もされていないようです。
ただ、日本の裁判所の人員構成を見ると、もう少し専門官庁である特許庁を活用した方が良いように思います。
懲罰的賠償についても、法律家は積極的ではないと思いますので、政治判断が必要だと思います。