特許半減
2020年3月18日の日経にシャープのコスト削減で黒字化は定着してきたが、研究開発費が減って特許出願の数の半減しているという記事がありました。(上)(下)と2つの記事になっていますが、特許やブランドについての記事は(上)の方です。
シャープ、鴻海流に限界 研究開発も「合理化」 :日本経済新聞
- 2017年以降は黒字。戴正呉会長兼社長が徹底的な合理化
- 戴氏は一般社員とともに質素な寮に住むなど献身的な姿で敬意を集める
- テレビや白物家電の主力拠点での生産停止などの対策
- しかし、新規事業は育っていない
- 2019年の研究開発費は1100億円。鴻海入り前より低下
- 特許出願件数も2018年は1132件(※おそらくPCTの数字です)。2012年の2001件の半分強
- 2018年に戴氏は、シャープを「もう液晶の会社ではない。ブランドの会社になる」と宣言。アップルが念頭
とあります。
ちなみに下記が、(下)の参考記事です。
シャープへの熱、冷める鴻海 液晶からEVにシフト (写真=ロイター) :日本経済新聞
コメント
特許の件数が載っていたので読んでみました。研究開発費が、表によると2010年あたりは1750億円程度あったようです。それが2019年には1100億円となっていおり、だいぶ減っています。
研究開発費が減ると、特許の元の発明を作る活動自体が減りますし、特許取得のためのコストも減りますので、もし出せるネタがあっても出せなくなります。
特許出願の件数は、研究開発費とリニアにリンクしているだけと考えればよいのだと思います。
ちなみに、シャープの研究開発費は、2008年に1961億円というのが最高だったようです。亀山ブランドが輝いていた時期です。
さて、ブランドの会社になるという点ですが、この記事を見ていると、表の部分に、白物家電が国内生産は撤退したが東南アジアで堅調というあり、PC事業を東芝から買収という部分に目が行きます。
東南アジアではブランドの存在感があるという点はプラスですが、PC事業は確かにシャープ製の液晶は使うのですがブランドはTOSHIBAを外した「Dynabook」ですので、SHARPブランドへの直接の貢献はありません。
折角、PC事業があるので、これとどう関連性を持たせるのかは、非常に重要な感じがしますが、SHARPは冠しないようです。
最近仕事で使っているPCがThink Padなのですが、天面の目立つ部分はThink Padなのですが、本体を開けたときに、目立たないように小さく、グレーでLenovoと記載しています(使っていると、壁紙とかソフトにはLenovoが割と出てきます)。
念頭にアップルがあり、シャープをアップルのようなブランドにしたいということですから、鴻海からタブレットやスマホを供給して、シャープブランドで販売するというのが、素直なところです。
しかし、市場に存在するタブレットやスマホという既存の商品は、すでに、アップルなどがいますので、新たな商品カテゴリーで、成長が見込める商品が必要です。そうなると、なかなか難しそうです。