各社がロゴで呼びかけ
2020年3月28日のCNN JapanのWebサイトで、欧米の各社がロゴを変更して新型コロナウイルス感染の対応のために、他人との距離をとることの重要性(Social distancing)を訴えていることがニュースとなっています。
CNN.co.jp : 感染リスク低減へ「距離をとって」、企業各社がロゴで呼びかけ
- ソーシャルディスタンスとは、他人と1.8メートルの距離を保つこと
- なじみのロゴを改変することで、ソーシャルディスタンスの意義を視覚的に理解する試み
- マクドナルド(ブラジル法人)はFB上で、黄色いアーチが2つに分かれている画像を掲載
- コカ・コーラはニューヨーク・タイムズスクエアの広告に、文字同士の隙間が大きくあいた特別ロゴ
- アウディのロゴは、横につながった状態で描かれる4つの輪が離れて並んでいる
- フォルクスワーゲンもVとWが完全に切り離された特別ロゴ
- ナイキはロゴデザインは同じだが、SNSで多数の有名選手を使った広告で、家の中にいるよう呼びかけ
- ソーシャルディスタンスで、米国ではこの数週間、屋外のスポーツグラウンドが使用できず、スポーツ観戦などをする行為も禁止されている
- 専門家から肯定的、否定的双方の評価
- ソーシャルディスタンスの周知を図ろうとする情熱や創造性は評価
- しかし、世界の現状はジョークでは済まされず、このようなロゴ作成で状況の深刻さが伝わらなくなる危険性
- ギャップのマスク生産や、LVMHの消毒剤製造など、本当に意味のあるサービスを黙々と提供することが有名ブランドには求められている
- ロゴを変える取り組みは人々を不愉快にさせる
日本語版の元ネタは、CNN Businessで、ほぼ同じ内容です。
McDonald's and other brands are making 'social distancing' logos - CNN
コメント
ロゴに変化をつけることについては、ブランドマネジメントでは、もっとも最初に禁止されていることですが、GoogleのDoodle(ドゥードゥル:記念日で変わるロゴのプログラム)のようなことをやりたいと、広告担当者が誰でもが一度は考えます。
ほとんどはSNSのようです。事例も、コカ・コーラのタイムズスクエアの広告を除くとSNS上のものです。
この話、CNNのまとめにあるブランド専門家の意見が良く整理されていると思いました。
ソーシャルディスタンスの重要性を、何とか訴えようとしているようです。このこと自体は非常に良いことですが、それをロゴを使って表現している点で、ジョークの要素が入って来てしまい、深刻さが伝わらないという指摘はもっともな感じがします。
そういう意味では、ナイキの取り組みが、一番、的を得ているようです。
それと、本来的には、本業を通じた貢献です。シャープのマスクは、安倍首相の会見でも好意的に取り上げられていました。これは企業の存在意義にも関係します。
GAPがマスクを作っているなら、ユニクロは何をやってくれるだろうと期待してしまいます。
トランプ大統領にGMとフォードが人口呼吸器を作るように命令されていました。
トランプ氏、GMに人工呼吸器生産命令 トヨタは専門メーカーの生産支援 (写真=AP) :日本経済新聞
サントリーの米子会社は、米国のケンタッキー州政府の要請で、アルコールの増産をするようです。
政府や州政府からやれと命令されてから始める場合、ブランドにとってはあまりプラスにならないように思います。
どうせやらないといけないのでしたら、言われる前に、先取りしてやってはどうかと思います。日本の各社も、危険回避モードから、戦闘モードに変わらないといけない時だと思いました。