「世界のニュースを日本人は何も知らない」
近くのスーパーマーケットにある本屋が開いていることを聞きつけ、見に行ったときにタイトルが気になったので、このタイトルの新書本を買いました。著作や谷本真由美さんで、出版はワニブックPLUS新書です。
著者は、元国連専門機関職員で、ITベンチャーやコンサルティングファームを、外資系金融機関の経験もあり、現在はロンドン在住の方です。
海外と日本の比較をしているような本を、数冊出しているようです。
この本は、世界の各国の現状について、日本との対比で紹介しています。
著者の最も言いたかったこととは、どちらでも良いような、日本では相撲部屋の暴力事件の話がTOPニュースで、世界では常識に近いようなニュースが流れておらず、日本のマスコミに頼らず、自分で海外のニュースを見て、情報を取得すべきということなのだと思います。はじめと最後のまとめを見ているとそう思います。
一つひとつの事例は、面白いし示唆に富むものがあるのですが、ブログの内容を編集し直したような感じではあります。
面白いと感じる内容は、人それぞれなので、詳しくは読んでもらうしかないのですが、個人的に面白いと思ったのは、次の3つの話題です。
1.あまり知られていない親日国の話:
ボリビア、パラグアイといった中南米の国。アフガニスタン、パキスタンなど。理由は、トヨタのピックアップトラックや、いすゞのトラック、各社の発動機など。命にかかわる製品であり、その信頼性の高さが日本の信頼性に結び付いている
2.世界の家賃の話:
他の国では安い物件というのは、治安が悪いので、死にたくなければ高い家賃を支払ってそれなりのところに住む必要がある。日本では、どこに住んでも安全。
東京の郊外では4~5万円からあるが、ロンドン、パリ、ローマにこんな安い物件はない。ロンドンで1時間以内の場所に20平米のワンルームを借りると家賃は15万円
南北戦争後に白人富裕層は財産没収などで没落したが、比較的短期間で復権。理由はもともと持っていた人的ネットワークやコミュニティから得たノウハウや知識。ネットの時代も人とのコミュニケーションが重要。そのためテクノロジー企業は一定の場所に集積
特に、最後のアメリカの南北戦争後の富裕層の復権の話は面白いなと思います。アフターコロナで、リモートワークが主流になる面と、やはり人と人との直接コミュニケーションが重要という面と、これからどうなるのかなと思っているのですが、作業としての仕事は自宅でリモートで十分ですが、重要な人的ネットワークの構築やコニュニティへの参加を通じたノウハウや知識は、やはり必要なように思いました。
商標の各種委員会やINTAなども、重要性は減らないのだろうなと思いました。