Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

司法のオンライン化

海外先行

2020年5月31日の日経に、海外に比べ、司法のオンライン化は進んでいないという記事がありました。

司法のオンライン化なお遠く 海外先行、日本も急務に :日本経済新聞

  • 新型コロナウイルスの影響で止まった司法手続き
  • オンライン化の動きが鈍い
  • 民事訴訟の争点整理では「チームズ」の活用が始まった
  • しかし、訴えの定期、口頭弁論・証人尋問、判決は、2023年度~2025度を目標
  • 法改正が必要
  • 民事訴訟は公開法廷での審理が原則
  • 海外では、オンラインの申立ては米国では1990年代から。シンガポールは2000年に全面導入。テキサスでは5月に「ズーム」で陪審員を選出。米連邦最高裁も電話での審理を開いた

とあります。

 

コメント

次のサイトにシンガポールの取組みがありました。

民事裁判にもIT化の波到来か? 海外事例にみる裁判手続きのIT化 | データのじかん

シンガポールでは、訴えの提起から、訴訟記録へのアクセス、日程の調整、審理と、相当にIT化が進んでいるようです。2018年の記事ですので、昔からちゃんと取り組んできているということです。他に韓国や中国(杭州)の話も出ていました。

 

最近の経験ですが、中国では、北京知財裁判所でも、口頭審理にWebを活用しています。

書面審理ではこちらの主張がちゃんと聞いてもらえているのか、一抹の不安がありますので、Webとは言え、双方の顔が見える状態で、こちらの主張ができることは、ありがたいような気がします。

 

裁判の公開が必要ということは理解していているのですが、Webでは通常は公開はできませんし、YouTubeのように全世界の人に見てもらう必要もありません。

裁判所に、Web閲覧コーナーでも設け、そこに映像を流すことで、裁判の公開とするということで良さそうな気がします。

 

平時であれば、法改正をして対応することも、緊急事態なら法改正を待たずにできることもあるように思いますが、簡単ではないということなんでしょうね。

 

裁判関係でもう一つ、2020年6月3日の朝日新聞で見たのですが、弁護人がマスクを着用せずに、裁判が2時間中断したというものがあります。

3ヶ月ぶりに東京地裁での裁判員裁判が開かれたときの話のようです。刑事ですね。

アクリル板等はあったようですが、弁護人曰く、証人や被告に尋問するときに、質問者の表情が重要になる。マスクをしていると適正な手続きで真実発見は難しいとしています。

結局、裁判員が裁判を継続する意思を示したとして、2時間後に審理再開とあります。

 

確かに、マスクがない方が表情も読み取れます。それなら、いっその事、Web会議であればマスクは不要です。

マスクを着用しての裁判が確かに不安です。

 

この意味でも、Web化、オンライン化を加速する必要があるような気がしました。