オーストラリアのビール事業買収
2020年6月10日の日経で紹介されていた、NIKKEI ASIAN REVIEWのアサヒグループホールディングスのオーストラリア事業買収についての記事を読みました。
Asahi's $10bn Australian beer deal faces post-pandemic hangover - Nikkei Asian Review
- アサヒグループホールディングスは、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)から、オーストラリアのカールトン&ユナイテッドブリュワーズ(CUB)の事業買収を完了
- 160億豪ドル(約1兆2000億円)
- 豪州でのシェアは、40%近くになり1位になる
- しかし、新型コロナのパンデミックで2020年の豪州のビール販売量は13%減少
- 2023年までは2019年の水準に回復しないと予測
英語版には、更に、
- プレミアムビール市場は、パンデミック前は年7%の成長
- アサヒは、2016年、2017年と、AB InBevから欧州事業を1兆2000円で買収
- 欧州は、今年は10%減少を予測。回復は2023年に
- プレミアムビール市場はクラフトビールとの戦いに
とあります。
コメント
ブランドの話題で、サントリーのビームの暖簾代(1兆6500億円)が高すぎるのかどうかという議論を聞きますが、アサヒの買収は欧州、豪州と合わせると2.4兆円であり、ビームを大きく超えているようです。
知りませんでした。
アサヒグループホールディングスのWebサイトを見ると、欧州事業の比率が高いこと分かります。
欧州のブランドを見ていると、現地で人気のビールなんだろうと思いますが、知らないビールが沢山あります。
Brands | Asahi Breweries Europe Group
豪州でもブランドも多くのブランドがあるようです。
完全な多ブランド、マルチブランド政策です。これを実現するには、アサヒグループホールディングスのブランドアイデンティンやグループアイディングなどを整理しなおさないと達成できません。
また、商標管理としても、これだけの沢山のブランドを管理しようとすると、どうやって管理するのかなと思います。名義一つをとっても、本社に統合するのか、現地会社のまま残すのか問題です。
これらはサブブランドやネーミングではありませんので、全てブランドです。
将来の当該ブランドの売却まども視野に入れると、現地会社に残すことが一番簡単な方法ですが、他国への展開しようとすると、現地会社にその気がないと他国展開はできません。
JTのブランド管理と、アサヒグループホールディングのブランド管理は、参考になりそうです。