Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

コロナの新聞広告

少し考えてみました

2020年6月13日の朝日新聞(夕刊)に、暖房機器メーカーのコロナ(新潟県三条市)が新潟日報に掲載した広告が全文紹介されていました。

文章は、ひらがなとカタカナのみで創られています。

タイトルは「コロナではたらくかぞくを持つ、キミへ」で、キャッチコピーは「キミのじまんのかぞくは、コロナのじまんのしゃいんです。」というものです。発信者はコロナの社長です。

 

  • 新型コロナウイルスが猛威
  • 子供達へのいたわり
  • コロナの理念
  • コロナの社員の働き、それは会社の誇り
  • 家族がコロナで働いていることで嫌な思いをしているなら、ごめんなさい
  • コロナという名前と仕事に誇りを持っている

というような内容です。

 

コメント

株式会社コロナは、新潟の会社なのですね。ガス機器の会社は名古屋が多いので、てっきり名古屋方面会社と思っていました。

 

社名による風評被害です。エアコンやガス機器は、それほど売上に影響はないのだと思っていました。

 

社名で、嫌な思いを持つ社員の子供達がいるという点については、朝日新聞には、社員の子供達が学校で中傷された事案の報告はないが、落ち込んで帰宅した子供の話はあったそうです。近いことがあるということのようです。

 

あるいは、広告では子供へエールを送るという形をとりながら、本当は大人を対象にしているということもできます。子供という素材を使って、コロナという会社に対するもろもろの風評被害について、意見広告をしているということも言えます。

 

どちらにしても、この広告を出せるというのは、会社は元気ですし、しっかりやっているというイメージがします。

 

ちょうど、株主総会の前なので、社名変更しないのか?などという、ありそうな質問を事前につぶしておく意味もあります。

世論を味方につけておくために、この広告はや役立つように思いました。

 

同社のWebサイトを見ていても、非常によくブランドが整理されています。コンシューマ向け商品ですし、製品レンジも広くないので、まとめやすいという面はありますが、しっかりとしたブランディングが出来ている感じがします。

 

今回の広告は、ブランドコンサルの助言か広告代理店の助言か、分かりませんが、適切な時期に、適切に発信されているなと思います。

 

ポイントの一つに、全国紙ではなく、本社のある新潟でだけ広告している点もあるよううに思いました。朝日新聞のような全国誌を通じて、費用の何倍もの効果もでています。

企業広告としては、相当、良い広告なのではないでしょうか。

 

さて、社名による風評被害は、メキシコのビールのコロナもあるようです。2ヶ月経ちましたが、ビールはどうなっているのでしょうか。 

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