「レディ A」に改名
2020年6月12日の朝日新聞夕刊に、米国の人気カントリーグループ「レディ・アンテべラム」が、バンド名が奴隷制度を連想させるとして、「レディ A」に改名するという記事がありました。
- 白人警官が黒人男性を死亡させた事件を機に人種差別に対する意識が高揚
- 「アンテベラム」は英語で「南北戦争前の」という意味
- 南部の文化を懐かしむ響き。その中に、奴隷層も含まれるとの受け止めがある
- グループは2006年結成。2008年にヒット曲。2011年にグラミー賞の受賞
- グループ内で相談し、黒人の友人との議論を経て改名
- HBO Maxでは「風と共に去りぬ」の配信を一時停止
- 自動車レースのNASCARでは南軍旗の使用を禁止
とあります。
コメント
今回の事件を契機にしたデモが広がっているのは知っていましたが、昔の「南部」を懐かしむものまでが、問題視されているようです。
今回の話についても、あまりピンときません。
まず、「レディ・アンテべラム」というカントリーグループの存在を知りませんでした。
次に、「アンテべラム」という言葉を知りませんでした。
知らないことばかりです。
「レディ・アンテべラム」をAmazon Musicで検索して、数曲聞きましたが、女性ボーカル中心のカントリーです。アルバムの写真には「Lady Antebellum」とありましたが、検索では「Lady A」として出てきています。さすがにデジタルの世界は変更が早いですね。
手元の辞書では、「アンテベラム」の綴りは「Antebellum」で、「(主に米)戦争前の;(特に)南北戦争前の」という意味だそうです。
記事の下の方に、少し記載のあった「風と共に去りぬ」は私もテレビで何回かは見ています。
歴史の一幕のようなものですし、自立した強い女性というテーマなのかなと思っていました。古典のような作品まで、問題になって配信できなくなっている状態というのは、今のアメリカの状況なんだなと驚きました。
南軍旗には、特別の意味があるのは、私でも何となくわかります。
グループの命名では、「THE SLANTS」事件で差別的な表現であっても表現の自由との関係で、商標登録は有効という最高裁判決が有名ですが、それはそれとして、現実問題としては、非難される可能性の高いグループ名は、できるだけ避けた方が良いという判断なのだと思います。
「レディ A」の「A」は「Antebellum」の「A」というのは分かります。既に人気グループであるレディ・アンテベラムが、レディ Aになっても問題ないと思います。
しかし、「A」は相当に多義的なので、はじめから「レディ A」では、何のことだかわからなかったかしれません。
2006年頃には社会的に問題にならなかった名称が、2020年になると問題になるという事例かなと思いました。
名前を決めるというのは、やはり難しい仕事だなと思いました。