Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

薬の輸入

不正な医薬品が大幅増

 2017年3月2日の日経新聞に、厚生労働省の委託を受けた米オレゴン州のネット監視会社「レジェットスクリプト」が、薬輸入の不正サイト対策で、2014年以降、約2500サイトの閉鎖に成功したという記事がありました。

日本の法令では、医薬品の個人輸入は可能ですが、実際には個人輸入代行会社が医薬品の個人輸入を手伝っており、その際に、不特定多数に対して医薬品の輸入を募る記載があると医療品医療機器法(旧薬事法)の68条にある、「未承認薬の広告禁止」に該当する恐れがあるとのことです。

サイト閉鎖の手法は、ドメインネームの登録会社(レジストラ)に閉鎖を要請し、ドメインネームを使えないようにするという手法です。一方、レジストラは、ドメイン閉鎖は慎重にならざると得ないと言っています。

www.legitscript.com

コメント

税関の水際規制でも、医薬品の差止は沢山あるようです。日経の記事によると、年間700件~1000件あるとのことです。大半は錠剤やパッケージに不正にロゴマークを刻印した商標法違反事件とのことです。

確かに、薬やお酒の模倣品は、人命や健康被害に直結しますので、薬の模倣品は、許すことができません。

レジェットスクリプト社は、オンライン薬局の国際的な監視会社で、インターネットで認可されていない医薬品が違法販売されていないことを監視する団体のようです。

レジットスクリプト - Wikipedia

この団体は、本来なら国の機関がするようなことをしているようです。一方、ドメインネームの使用停止要求についてレジストラが慎重になるというのもわかります。

ちなみに、薬のサイトは確かにあやしい薬を売っているものがありますね。