Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

正露丸の新製品

51年、36年 どっち?

 2017年3月16日の日経と朝日新聞に、「ラッパのマーク」の大幸薬品の「正露丸」の新製品のニュースがありました。新製品の名前は、「正露丸クイックC」です。液体をカプセルに入れたもので、素早く胃に溶けるようです。

有名な家庭薬で、久しぶりの新製品という点に、ニュースバリューがあるようです。

www.seirogan.co.jp

日経には「正露丸の新型薬51年ぶりに発売」とあり、朝日新聞には「正露丸36年ぶり新装」とあります。えっ?どっちが正解、という感じです。

記事を読むと着眼点の違いのようです。

日経は、糖衣錠まで、錠剤だけだった正露丸が、「液体のカプセル」という新タイプになったという点に着目しています。1966年の「セイロガン糖衣」からカウントして51年ということです。

朝日新聞は、新製品の発売が36年ぶりということに着目しています。1981年の「セイロガン糖衣A」からカウントして36年ということです(「セイロガン糖衣A」には「A」がついています。当時の新製品だったんでしょうか。)。

よって、どっちも正解ですが、ややこしいですね。

 

コメント

正露丸」は商標の教科書にも出てくる有名な話があります。

一つは、「正露丸」は、日露戦争のときに発売され「征露丸」だったものを、戦後に国際関係に配慮して「正露丸」に変えたということですね。

もう一つは、「正露丸」自体は、木(もく)クレオソートからなる薬の普通名称になっており誰が使ってもよいもので、多くの会社が「〇〇正露丸」ということで正露丸を出しているといことです。こちらは、名称とパッケージとかも含めた不正競争防止法の事件が、裁判で争われているようです。

www.seirogan.co.jp

今回は、「ラッパのマーク」で有名な大幸薬品の話ですが、確かに色々な「正露丸」がありますね。

この文書を書くのに、大幸薬品のホームページを見たら、今回の記事は単に正露丸としての新型薬が出ただけで、正露丸以外の商品もあるのですね。当たり前といえば当たり前ですが、あまりにも正露丸のイメージが強く他の薬に思い至らず、記事を読んだイメージとして、大幸薬品には久しく新製品がなかったのかと勘違いをしてしまいました。「クレベリン」など、薬局で見かけます。私も知っていました。

www.seirogan.co.jp

(いままで、電機機器メーカーのホームページは良く見ていたのですが、食品や薬や外食業界の会社のホームページはだいぶ違うので面白いですね。)