マクセルホールディングスに社名変更
2017年3月21日に、日立マクセルの社名変更のニュースがありました。
www.itmedia.co.jp
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/03/f_0321a.pdf
MaxellといえばTDKと並ぶカセットテープのブランドで、中高生のころは非常に身近なブランドでした。何本もMaxellのテープを持っていましたが、テープを聞くこともなくなり、引越しのときに全部捨てました。
マクセルの社名は、乾電池のブランド名「Maxell」(Maximum Capacity Dry Cell=最高の性能を持った乾電池)から来ているようです。
同社のホームページで、日立マクセルの沿革をみると、
- 1961年に大阪の日東電工から乾電池と磁気テープの部門が分離して「マクセル電気工業株式会社」としてスタート
- 1964年に「日立マクセル株式会社」となる
- 2010年には日立製作所の完全子会社になり上場廃止
- その後2014年に再上場
- 今回出資比率が15%を切って持ち分法適用会社から離れ、
- 社名を2017年10月から「マクセルホールディング株式会社(仮称)」として、日立の冠を取る
という歴史をたどっているようです。
コメント
経営的には、日立製作所が社会イノベーション事業にシフトするのでマクセルの事業が非中核事業になったのか、経営の自由度を高めるためには独立する必要があったというところでしょうか。
通常、日立の子会社になるタイミングで、社名に「日立」を冠し同時にブランドも「HITACHI」にするのに、同社はブランドを「HITACHI」にせず、ブランド価値の高い「Maxell」をブランドとして守り続け、最終的にブランドを冠した社名に戻るという事例です。
この間、経営的には信用・信頼・安定性などを、社名の「日立」冠称からもらい、営業面ではブランドの「Maxell」を前面に出すというブランド価値の二重構造を活用したのだと推測します。
日立はしっかりした会社のイメージがありますが、カッコよさという面では、「Maxell」は海外のブランドのようでカセットテープには向いていたように思います。
ブランドとしては、MaxellはTDKと共に一世風靡したブランドですので、今でも全世界でブランド認知が残っています。今後とも、コンシューマ商品分野を中心に、この価値をどう活用するのかが焦点となると思います。TDKのようにブランドライセンスビジネスに入るのでしょうか。あるいは、自ら商品を作って(あるいはOEM、ODMを活用して)商売するのでしょうか。どのような動きになるのか、注目したいと思います。
日立の提供番組「世界ふしぎ発見」(TBS)の最後に「この木なんの木」のCMがあり、沢山の関係会社の社名が紹介されています。日立マクセルも以前はこの会社名表示に名を連ねていたこともあるのでしょうね。