Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

AIで同時通訳

オリンピック・パラリンピックまでに実用化

2017年4月17日(月)の日経夕刊に、政府が人口知能(AI)を使った同時通訳システムを2020年の五輪・パラリンピックまでに実用化する計画であるという記事がありました。

www.nikkei.com

ディープラーニング(深層学習)という最新の技術を使い、スマホで通訳ができるようにして、ビジネスや観光や医療の言葉の壁をなくすという夢のような話です。

総務省傘下の情報通信研究機構が、パナソニックベンチャーと連携して、システムを開発し、2015年度からの5年間で、100億円程度を投じる計画ということです。

 

コメント

自動翻訳は、夢の技術の一つですので、これが達成できれば、言葉の壁だけで見れば、日本人がより世界で活躍できるはずです。あとは、日本人が海外の人と話をするときの話の内容(コンテンツ)次第となりますので、言語のレベル以上の、次のレベルに進まないといけないと思います。

  • <自動翻訳の技術について>

太陽電池も経済合理性の見地から見るとなかなか実用化レベルにならない技術ですが、自動翻訳もこれもまだまだ実用化レベルではない思っていました。

しかし、昨年11月からGoogle翻訳の精度が向上は、驚くべきレベルです。実際にGoogle翻訳を使ってみて、以前に比べて、だいぶ良くなったと思います。

(自動翻訳の精度向上の方法自体は、いろいろな方法があるのだと思いますが。)

  • <特許業界への影響>

特許業界でも、Google翻訳の話は良く聞きます。言われているのは、特許業界は、特許明細書の翻訳で儲けていた面があり、今後、荒い翻訳は無料になりますので、翻訳の価格が安くなり、翻訳では儲からなくなるという話です。まあ、そういう面は出てくると思います。

  • <今後、何を伸ばすか>

次は、その変化を受けて、どのように動くかです。翻訳、言葉の壁が低くなるのですから、従来、アメリカ企業、英語母国語の企業が受けていた、世界共通言語を使っているという優位性が、日本企業にも与えられると考えることができます。考え方を変えれば、日本企業とって有利な状況が生まれつつあるのではないでしょうか。

英法系の国は、弁護士資格なども共用できますので、例えば、オーストラリアなりシンガポールなりの弁護士は英法系の国では弁護士資格の取得も可能で、世界を相手にした法務のOne Stopサービスが可能でした。

単に言語だけではなく、法律知識や文化・社会的背景など、総合的に学ばないとこのレベルにはないませんので、これからも海外ロースクール留学などは必要と思いますが、日本人にとっても、言語という高いハードルが下がるはずですので、それ以外の学習にシフトできることは朗報であるように思います。