最後の秘境 東京藝大
横浜の図書館で借りて読みました。非常に読みやすい本でした。藝大の雰囲気が良くかわりました。藝大には、美校と音校が道を挟んで左右対称にあるのですね。
作者の二宮さんの奥さんが東京藝大の美術の学生さんということで、作者が東京藝大に興味を持ち、奥さんのツテででしょうか、多くの藝大生に取材され、まとめたノンフィクションです。
入るのは非常に難しいが、成功する人は ほんの一握りで、行方不明者も多いということです。
特に音楽の方ですが、東京藝大に入るには、お金がかかるのはもとより、小さなころからの親の教育も必要ですので、家族を巻き込んでの大仕事なのがわかりました。
東京藝大からすると、本当に成功する人が、数年に1名でればよく、後の学生は成功する人のために存在する?という話もありました。
企業に就職する人は、落ちこぼれ?というくだりは、いかにも、東京藝大らしいですね。
東京藝大生は、在学期間、やりたいことをやっているという、自由闊達な雰囲気が伝わってきました。
コメント
以前の会社では、意匠の仕事をしていたこともありますし、また、ブランドでもインダストリアルデザインの人とのやりとりや、宣伝ではグラフィック系のクリエイターの人とのやりとりもあったので、デザイナーという職業の人は、ずっと割と身近にいました。
その私の知っているデザイナーという人々と、東京藝大の芸術家の卵とは、目指す方向がちょっと違うようです。
国公立のデザインを学べる学校が京都工繊大や千葉大など非常に少なく、私立の大学が割と多いという話を聞いたことがあります私の場合、何人かのデザイン系と言われる人を知っていますが、東京藝大卒は、たった一人しかしりません。
私の知る東京藝大卒の彼は、ごく普通の常識人ですので、この本の反対解釈からすると、東京藝大の中では異色の人材だったんですしょうか?
だいぶ前に聞いた話ですが、デザイン能力だけを考えれば、専門学校卒の方に才能ある人がいる(ファッション系やWeb系などでしょうか)が、企業では人事の仕組み上、高い処遇ができないので、大卒を取っているという話も聞いたことがあります。
最近、上野には良く行くようになったのですが、東京藝大にまで、足を延ばしたことはなかったのですが、今度いくときは、覗いてみようと思います。