Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

フェイクニュース

スローニュース

2017年5月27日の日経に、「フェイクニュース 歪む社会 下」「虚偽と戦う『スロー』」というタイトルの論説がありました。

www.nikkei.com

  • フェイスブックが、6月8日の英国総選挙を控え、英国の主要紙に「フェイク(偽)ニュースを見分けるコツ」というタイトルの広告を出した。昨年の米大統領選挙で偽ニュース対策が十分でなかったと批判されたことからの対策。偽ニュース拡散の温床となる数万の偽アカウントを削除。
  • グーグルは、信頼できるサイトが上位にくるようにアルゴリズムの見直し。報道機関や専門組織の協力のもと、信ぴょう性が疑わしい情報にはファクトチェックの結果を併せて表示する機能導入。
  • フランスのAFPや、英国のBBCも、ニュースの事実検証をする専門部隊を立ち上げ。

ということで、「フレーキング(速報)ニュース」だけを競うのではなく、正確さや背景を解説する「スローニュース」を強化しているという内容です。

 

コメント

「スローニュース」は、「スローフード」あたりから来た言葉だと思いますが、”New”の複数形から”News”の言葉ができたのだと思いますので、「スローニュース」という言葉は矛盾を含んだ、面白い言葉だと思います。

 

以前は、マスコミしかありませんので、多少の思想背景で解説は変わるとしても、事実の部分については、どの新聞やTVでも対して異ならず、一般人はそのまま信じてよかったと思います。

しかし、SNSが広がって、一般人がマスコミに替わり、ニュースを流すことが可能になりましたので、フェイク(偽)が混じり、フェイクも数多く集まると本物のように見えて、事実と虚偽の見分けがつかなくなるというのが今の状態なのだと思います。

 

そのための対策を、SNS事業者や検索エンジンといったプラットフォーム事業者も始めたということだと思います(Facebookザッカーバーグは、良きにしろ悪しきにしろ、本当にいろんなところで話題の中心になる人ですね)。

 

以前、知財協会の商標委員会で外国商標の小委員会にいたことがあり、そのとき、小委員会の各社に流れてきている各国代理人からの法改正情報を私のところに転送してもらい(FAXだったのですが)、私が一覧表にまとめて小委員会のSさんに報告し、知財協会の資料にするという仕事を1年やりました。

そのとき、Sさんの指示で、ある国の法改正情報があったとしても、1つの代理人からしか連絡のない情報は、参考情報扱いとして、皆さんにお知らせするのは、2つ以上の代理人から同じニュースが来たものに限ると言われてました。

これなども、フェイクニュースを見極める方法なのではないかと思いました。

 

最近、Googleで検索していて、問題ある検出例の報告というのが出てきます。検索エンジンの表示結果に虚偽の情報があると、フェイクニュースと同じですので、その発見・チェックに一般利用者も参加してもらっているということなのだと思います。