Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

IBM社員が不正アクセス

ヤフー アカウントを使用

2017年6月15日の朝日新聞に、日本IBMの社員が、女性3名が使うアカウントに不正ログインして、不正アクセス禁止法違反で逮捕されたという話がありました。

下記は、関連記事です。www.jiji.com

朝日新聞には、次の話が出ていました。

  • 容疑は認めている
  • 他人の秘密をのぞき見たかった
  • 見ず知らずの女性3名のヤフーのアカウントに、IDやパスワードを使って不正にログイン
  • SNSで好みの女性を探す→誕生日や名前などを組み合わせからパスワードを推測
  • 容疑者のパソコンからは、267名分の画像ファイル、8万8600枚の画像
  • ヤフーにログイン後、メールの個人情報を確認
  • それをもとに、iCloudから画像をとった
  • 2013年から千人ぐらいに対してやった

コメント

一人の社員の事件で、大きな会社全体をどうこう云うことはできませんが、一個人の事件でも会社イメージは悪くなります。特に、IBMはネット社会を守るべき会社ですので、この事件は、通常の会社以上に企業イメージに影響するように思います。

 

特許の世界では、昔、IBMは特別な会社でした。IBMの特許出願は、すべて特許になるとも云われていました。特許の審査官も、IBMは技術がすご過ぎて、勉強させてもらうつもりで特許の明細書を読んでいる(審査をしている)と聞いたことがあります。

別の話ですが、IBMの特許部門には、5名ぐらいの、技術内容はもとより、経営も、技術も、法律も、なんでもわかるスーパーマンのような人がいて、特許出願するかどうか差配しているという話もありました。事業部から流れてくる明細書を、とにかく出願して出願件数確保に精一杯である、一般の会社と、えらい違いだと思っていました。

 

ブランドマネジメント面でも、先端的で、会社の「あるべき姿」などを、全社員とネットで意見交換して、作り上げるという「JAM」は有名でした。ザッカーバーグ氏が言っている「ネットを使った直接民主主義」です。日本企業も、JAMをやってみたいのですが、社員のITリテラシーが高く、英語が公用語の会社でないと、難しいのではないかと云われています。

 

また、大学生時代に、友人から「2001年宇宙の旅」に登場するコンピュータのHAL9000のネーミングの話を聞きました。

HALは、アルファベットのIBMの一つ先の文字で、IBMを超えるという含意がある話です。

 

IBMは、憧れの対象だった会社です。多少の事件にはめげずに、社員の皆さんには頑張ってもらいたいと思います。

この件は、ある面、人間らしい事件なのですが、今、流行の「AI」のワトソンに、社員の不祥事防止策のコンサルを頼んだら、どんな答えが出てくるのでしょうか?