特許庁が追加対策
2017年6月21日の日経に、自分とは無関係の商標出願について、却下処分を待たずに後願の出願の審査をする旨の、特許庁の対策が掲載されていました。
最低12,000円必要な、出願手数料を支払わずに、「PPAP」「プレミアムフライデー」「マイナンバー」などを出している出願人への対策です。
コメント
この記事によると、2016年はある特定の一人とその関連企業が約25,000件の商標出願をしており、全体の1割超を占めているようです。
日本の2016年の商標出願が、14万件という話がありましたが、そのうちの25,000件が、この特定の一人と関連企業とすれば、異常な状態です。
ミスで出願手数料を納付し忘れたような人も中にはいると思いますし、その人には丁寧に却下の理由を通知して、意見を申し述べる機会を与えて出願手数料の納付に誘導すれば良いと思いますが、今回のこの出願人は故意ですので、もっと却下処分を早めるなど、抜本的な対策を取ることはできないものでしょうか。
現在の特許庁の対策は、このような出願をしても結局は無駄になるという状態にしていくことで、この出願人に、出願を思い留まってもらおうというのが基本的な対策のように思います。しかし、この対策では、この個人は、簡単に思い留まってくれそうにありません。
すでに、実施済みかもしれませんが、特許行政を混乱されているのは明確なので、行政からのお願い・指導として、特許庁(例えば商標の責任者)が本人と話をしたりして、無駄な出願を思い留まらせるという方法もあります。
ルールについても、更に突っ込んで、法律や施行規則の改正、運用の改善で、何かできるように思います。
また、商標出願する権利は何人にもあると思いますので、手数料を納付しない大量出願を刑事事件にするのは無理があると思いますが、民事裁判の可能性はあると思います。
特許行政を混乱させているとか、行政の遅滞を招いたとか、無駄な対策が必要になったということで、特許庁が、この個人に損害賠償や出願行為の差し止めの民事裁判を起こす方法です。
もし、海外で、このような出願人が発生したとしたら、どのような対策が取られるのでしょうか。海外の特許庁にヒアリングしてみても良いと思います。日本人が思いつかない対策があるかもしれません。
なかなか、解決の糸口が見えない、やっかいな問題です。当初、マスコミや一般人は面白おかしくこの件を伝えていましたが、そろそろ、解決しないといけない時期になっているように思います。