Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

行ってきました(岩永嘉弘さんの講演会)

ネーミングの力

何もない日の夕方に、お世話になっている日比谷図書館で、ネーミングの話がありましたので聴いてきました。日比谷図書館は、今は日比谷図書文化圏という名称の施設になっており、単なる図書館ではなく文化発信拠点を目指しているようです。

その一環で一流の先生を招いてセミナーを毎日ほどやっています。1時間半ぐらいの話を聞いて、参加費1000円です。Vital Englishも1000円なのですが、1000円の参加費は、高くなくていいですね。

日比谷カレッジ|千代田区立日比谷図書文化館

 

さて、今回のネーミングの話の講師は、岩永嘉弘さんで、ネーミング関係の本も書いておられる、ネーミングの大家です。私も本をもっています。 

日比谷図書館の4Fのホールで、60名ぐらいの参加者でした。聴衆はリタイヤした男性が多かったように思いますが、コピーやネーミングを仕事にしている クリエイティブ系の人もいたような感じです。女性はちらほらでしょうか。女性ばかりのときや、若い人ばかりのときもあるようですので、講師のファン層によるのだと思います。

 

内容は、項目的には次のようなものです。ネーミング開発のテクニカルな面も、少しありましたが、それよりも一般の人に対して、「ネーミング」というものを理解してもらうという内容でした。

  • GINZA SIX(GSIX)のネーミングの良し悪し(資生堂の「THE GINZA」との比較)
  • 聖書の「初めに言葉ありき」(バベルの塔=言葉が通じなくなった=全世界の人に分かるネーミングが必要に)
  • 今、日本語(和語)ネーミングが増えてきている(渋谷「ヒカリエ」、資生堂TSUBAKI」など/フランスで売って日本に凱旋するには日本語ネーミングが有利/中国でも日本語ネーミング?)
  • ネーミングの大先輩は山本権兵衛海軍大臣)(戦艦、第一巡洋艦、第二巡洋艦駆逐艦等のネーミングは体系的、名前でどの種類か分かるので伝えやすい)
  • 11PMの「褌(ふんどし)」の販売の企画でできたネーミング(結果は、「Japants(ジャパンツ)」、TVCFや新聞広告まで作ってみた)
  • これが評判になり、ワニブックで本を出すことになり、ネーミングの第一人者に(初の仕事は、読者の依頼でバーの名前(一つのビルに、3つのコンセプトの異なるバーで「Los Cos Mos」)
  • ネーミングがキャチコピーの替わりに(日立の「からまん棒」/先生の作品、日本車のネーミングはまだイメージネーミングが多く、機能を言っているのは「MIRAI」「NAKED」ぐらい)
  • パッケージの広告化(伊藤園の「おーいお茶」の由来)
  • ネーミングは究極のコピー(キャッチコピー→ボディコピー→ネーミング)

日本語ネーミングは、グローバル化と関係ない、国内に閉じた後ろ向きの話と思っていましたが違いました。

面白かったのは、海軍の戦艦の名前と、11PMの褌の話です。初耳の話でしたし、これは記憶に残ります。 

11PMの企画をきっかけに、ネーミングの本を書くことになり、コピーライターからネーミングを考える仕事にシフトするというあたり、人生、何が転機になるかわからないと思いました。