Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

“&TOKYO”は?

Tokyo Tokyo Old meets New

2017年7月1日の日経に、東京都が、東京の魅力を海外に発信する新たなロゴマーク「Tokyo Tokyo Old meets New」の英語版公式サイトを開設したという記事がありました。

www.nikkei.com

記事には、

  • ロゴ発信用に製作したPR映像を配信
  • 関連イベント情報を順次追加
  • 8月には日本語版も作る
  • ロゴを使った外国人客向けの土産物も作る
  • PR映像は江戸時代から続く伝統と最先端の街をイメージ
  • 小池知事は「東京の価値やブランド力をしっかりと海外に知らせていきたい」
  • 都のロゴとしては舛添知事時代に「&TOKYO」を考案したが、海外で知られていないとの指摘があり、見直しに着手。4月に新たなロゴを公表。

とあります。

 

コメント

じゃあ ”&TOKYO” はどうするの?というのが、第一印象です。東京都の魅力発信ロゴとしては、悪くなかったのですが、舛添さんのイメージが強すぎたので、使いたくないのだろうというのは、容易に理解できます。

ただし、すでに使い始めているマークです。私でさえも”&TOKYO"のバッジを一つもらいました。

andtokyo.jp

 

この点、日経の4月の記事には、今回の”Tokyo Tokyo Old meets New”と、”&TOKYO”は「併用する」ようなことが書いてありました。

この2つのロゴは同じ東京都の、産業労働局観光部企画課が主管部門のようですので、この間の、担当者の苦労は想像に難くないのですが、なぜ併用するのか?という感じです。

 

新しいものに変えるなら、古いものは徹底的にやめるべきです。二つのブランドが併存することはあり得ません。

そもそも、新しいロゴは、Tokyoが2回出てきたり、Old meets Newが小さかったり、なぜかエメラルド系のブルーを使っていたり、情報整理が不十分なロゴです。このエメラルド系のブルーは、新しい東京とどんな関連があるのでしょうか?

 

総じて、新しいロゴが関係者に喜んで使ってもらえるようには思えません。単なる概念の再整理は必要と思いますが、新しいロゴは作らない方が良かったのではないでしょうか?

 

昔は社長が変わるとブランドスローガンなり、タグラインを変える会社もありましたが、それは古い考え方です。TOPが変わったぐらでは、変わらない価値を、言葉に込めて、継続的に訴えないと言葉の認知もあがりませんし、混乱を深めるだけです。

 

確かに、”&TOKYO”は、東京がオリンピックで盛り上がろうとする意図があり、外国人のことを考えていなかった面はあります。

しかし、”&TOKYO”自体は、無色に近いブランドなので、”&TOKYO”に海外の人にPRできるような意味付けや、使用方法を構築していけば良いように思います。例えば、”Omotenashi &TOKYO”を、海外向けにはどんどん活用すれば良いと思います。

 

ちなみに、Tokyo Tokyo Old meets Newの映像は、下記にあります。見ましたが、産業用ロボットが出ている点で、う~んという内容です。これで、海外に現在の東京の魅力が伝わるのでしょうか?私は都民ではないですが、税金の無駄遣いと言われても仕方ないように思いますが。

tokyotokyo.jp