Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

EPSONの新時計ブランド

TRUME(トゥルーム)

2017年7月20日の日経と朝日新聞で、セイコーエプソンの新しい時計のブランドの記事を見ました。www.nikkei.comwww.asahi.com

日経には、次の話がありました。

  • 同社初の独自ブランドのアナログ腕時計
  • 同社は、従来、セイコーウォッチ向けにOEM供給してきた
  • 新ブランドは、TRUME(トゥルーム)
  • 価格は、税別で24万円~28万円
  • セイコーウォッチには、事前に連絡しなかった
  • OEM)では、技術を出し切れないことへの不満があった
  • 新しい価値を提供したかった(社長談)
  • スマートウォッチの台頭など市場変化を捉え、アナログ時計に先端技術を加えて存在感を高める考え

朝日新聞は、今回の時計について、高度、気温、方角、消費カロリーなど測定する機能があり、高度のアナログ時計での表示方法を詳しく説明していました。

 

コメント

新聞では、同社の展開している3つのブランドを載せた一面広告が出ていました。新ブランドのTRUMEの他に、ORIENT STARブランド、EPSONブランドのWristableGPSというスマートウォッチが出ていました。同社には、この他に、ORIENTブランドの時計もあります。

 

セイコーホールディングス(傘下にセイコーウォッチ)、セイコーインスツルSII、2004年に社名が変わっていました)、セイコーエプソンが、セイコーグループ中核3社というようですが、セイコーエプソンは、資本的にセイコーホールディングスの子会社ではないようです。創業家との関係など、複雑なようです。

 

価格帯は、セイコーのGRAND SEIKOより安く、SEIKOのアストロンなどの売れ筋ぐらいのようです。

 

オリエント時計は、2017年4月にセイコーエプソンに統合されているようですので、ORIENTなりORIENT STARなりで、今回の、「技術を詰め込んだアナログ式時計」を出す方法もありますし、EPSONブランドとしてサブブランドにTRUMEを使って、CASIOのOCEANUSのようにする方法もあります。

 

企業ブランドが大事と考えると、CASIOのOCEANUS方式になりますが、個別ブランドでいくなら、今回の方法もありです。特に、EPSONはプリンターのイメージが強いので、スマートウォッチは良いとしても、高級時計ではどうかという考えは分かります。

 

OEMでSEIKOのアストロンなども製造しており、ORIENTブランドもやっており、時計のプロの会社が、独自ブランドが良いと判断したのですから、その判断には間違いがないのだと思います。特に、時計は趣味性が高い商品で、価格帯もしっかり分けられますので、なんでもEPSONではないというのも理解できます。

 

電機機器メーカーが時計に参入したとしても、CASIOやAppleを除き、大体数年先には撤退していることが多いのですが、セイコーエプソンは時計に地盤がありますので、今回のの時計ブランドは、生き残るのだと思います。宣伝等もされると思いますが、人気商品(ヒット商品)が欲しいところですね。

 

ちなみに、商品分野もロゴも違いますが、カバンの「TUMI(トゥミ)」を思い出しました。ビジネスパーソンは、このタイプのネーミングが好まれるのでしょうか?

 

読みにくいので、読み方を覚えてもらうのが第一歩でしょうか。