Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

森トラストの高級ホテル

ゴールデンルート以外の地方に展開

2017年7月26日のJapan Timesで、森トラストの伊達美和子社長の記事を見つけました。富裕層の海外の観光客が来てくれるような地方リゾートを開発することが、日本を観光立国にする道と話されています。

www.japantimes.co.jp

 記事には、次のようにあります。

  • マリオット・インターナショナル・インクと、山中湖、伊豆温泉、琵琶湖、南紀白浜軽井沢の5か所に、ラグジュアリーホテルを開く
  • 東京、大阪、京都といった街をではない、リソースが豊富でグローバルには知られていない地方に、海外の観光客の注意を向ける
  • 更に1000億円を投資して、2023年までに、沖縄、奈良に2か所、東京に3か所、地方リゾート地域に4か所、計10か所のラグジュアリーホテルを開く
  • 昨年は2404万人、今年は半期で1376万人。昨年同期比17.4%のアップ
  • 政府は、2020年までに4000万人、2030年までに6000万人の外国人観光客の招致を目標
  • そのためには、ゴールデンルート以外の地域の魅力を高めることが鍵
  • 政府の目標である2030年までに15兆円の海外観光客の消費を達成するには、都市のリーズナブルなホテルだけではなく、富裕層を観光客の関心を引くことが重要
  • 現在の富裕層のためのホテルの計画は十分ではないので、ラグジュアリーセクターに投資

コメント

まず、伊達社長の着物(柄は浴衣っぽいですが着物のようです)に注目してしまいました。伊達社長は、森トラスト(森ビルの兄弟会社)の前社長の長女だそうです。女性の大会社の社長自体が珍しいですが、着物でマスコミに登場するのは、雇われ社長にはなかなかできません。(法政大学の田中優子総長が、よくマスコミに登場しますが、着物も貢献していると思います。)

 

地方に高級ホテルができて、海外の観光客、それもリッチな方が来るのは大歓迎です。特に、計画に奈良が2か所あるのが、良いと思いました。

私の実家は奈良にあるのですが、観光資源の宝庫です。奈良公園は綺麗ですし、国宝など、半径数キロ以内にいくらでもあります。阿修羅像が東京にくると大騒ぎですが、以前は興福寺の国宝館など、誰も見に来ていませんでした(今は仏像ブームですので、違うと思いますが)。

 

さて、マリオットですが、ブランド体系的には、個別事業ブランドと、マスターブランドのエンドースの混合型になっています。非常に興味を引くブランド体系です。 

www.marriott.co.jp

このページの下の方を見てもらえば、リッツカールトン、シェラトンウェスティン、マリオット〇〇と、色々あります。業種は同じホテル業ですので、高級感や嗜好性の違いでブランドを使い分けているようです。ラグジュアリーは、個別事業ブランドのようです。

 

一方、マリオット〇〇は、マリオットがエンドースしています。

態様は、コンポジットロゴになっています。簡単には区別がつかないものがあります。

リゾートや、レジデンスがついている程度なら理解できますが、買収したホテル名にマリオットを入れてエンドースしていたり、色々です。

一覧表にするとなんだか分かりにくいのですが、現場では、マリオットのエンドースが非常に効いている可能性もあります。

 

マリオットが、一生懸命、ブランドマネジメントした結果が、これなんだと思います。

 

森トラストのホテルは、どのブランドになるのでしょうか?