Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

五輪マスコット

マスコットの公募方法

2017年8月1日の日経夕刊に、五輪のマスコットの公募開始についての記事があり、選定のスケージュールがありました。

<選定方法のスケジュール>

  • 8月1日~14日 デザイン応募受付
  • 玩具、漫画、アニメなど専門企業社員による選考
  • 審査、商標などの調査
  • 12月上旬 最終候補作品3、4点程度を公表
  • 12月11日~2018年1月19日 全国の小学生による投票
  • 2月上旬 デザイン発表
  • 7月~8月 ネーミングを含めたマスコットの正式発表

関連する、日経の記事はこちらです。

www.nikkei.com

 

コメント

マスコット自体の選定と、マスコットの名前の選定は、分けているようです。前半のマスコット自体の選定に、玩具、漫画、アニメの企業の担当者が入るのは、商品化の展開しやすさなどをチェックするのだと思います。

 

商標調査がありますが、この種のマスコットは、本来的には、商標よりは、著作権だと思います。

しかし、商標や意匠は調査が可能ですが、著作権は正確な調査ができません。最近の検索エンジンは、キーワードから画像を検索する機能が良くできていますが、画像から画像を検索するのは、まだ得意ではないと思います。

独自創作である(依拠性がない)ことを理由に、著作権はチェックしない作戦なのか、商標調査に著作権調査の代替をさせるのでしょうか?

 

また、マスコットの審査に、小学生のみ投票できるという点が気になりました。マスコット=子供向けという時代ではないと思いますし、盛り上げ策と考えると、何も小学生に限定せず、誰でも投票できるとする方が良いように思います。

ネットでは、小学生かどうかのチェックが難しいですので、小学校の授業で投票するのでしょうか?と思ったら、日刊スポーツに答えがありました。

 

小学校のクラス単位で投票するようです。教育と大会をつなげるという目的があるようです。クラス単位で議論することが重要とありました。

www.nikkansports.com

 

応募要項などの募集の詳細は、こちらです。

tokyo2020.jp

シンボルマークに比べて、準備が相当大変そうです。

  • オリンピックとパラリンピックの2つのマスコットが必要
  • 東京五輪パラリンピックのシンボルマークを入れて描くこと
  • 斜視図だけではなく6面図が必要
  • マスコットが喜んでいるのと驚いている、2つのデザイン案が必要
  • マスコットが競技している姿が2つ必要

などです。企業で専門にやっている方しか提出できないと思います。

 

日刊スポーツによると、マスコットの名前は、作品決定後にプロのコピーライターが複数案提示し、最終決定段階でマスコット作者も含めて審議するとありました。

 

全体に、プロ対象のコンペという印象です。考えられていると思った点は、小学生に議論させるようにしたことで、マスコットを題材に、大会の理念を議論する機会にするという点ですね。