Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

東京五輪・パラリンピックのマスコット

応募は2042件(予想の半分)

2017年8月16日の朝日新聞に、東京オリンピックパラリンピックのマスコットの公募に、2042件の応募があったという記事がありました。

digital.asahi.com

記事によると、

  • 個人が1774件
  • グループが268件
  • 最高齢は80歳代の応募
  • 小学校のクラブ活動での応募あり
  • 一昨年の大会エンブレムは、1万4599件の応募(エンブレムの7分の1)
  • 組織委員会は、当初、マスコットも5千件程度を期待
  • 6面図の提出や感情表現のバリエーションが必要など、専門性の高い要件だったことが関係したとみられる
  • 9月中旬に、企業から15人程度が審査員となり、100案程度に絞る
  • 組織委員会が3~4案に絞る
  • 12月11日から来年1月19日まで、全国の小学生がクラス単位で投票

とあります。

 

コメント

赤字で書いたところは、思った通りの意見となっています。もともと、プロ対象というか、企業対象なら、この程度の要件でも良いと思います。

しかし、オリンピック・パラリンピックの盛り上げ策の一環と考えると、お絵描きソフトで描ける程度の、例えば基本の斜視図だけを募集して、最終に残った3~4案だけを、専門家が6面図にしたり、表情のバリエーションをつけてあげればよかったのにと思います。

nishiny.hatenablog.com

 

少し話はズレますが、意匠制度の利用が広がらないことの理由の一つに、図面の記載方法があると思います。日本は多少緩和されているようですが、基本的には6面図で正確に物品を再現しようとしますし、 アメリカは陰影線をつける独自の作図方法です。色々な表現があることは、コストにつながりますので、ユーザー視点では問題だと思います。

日本、アメリカ、どちらの作図方法も、プロダクトデザインの現場で主流のCADの立体斜視図とは差ががあるように思います。

ハーグ協定のジュネーブ改正協定で、このあたりの図面の記載の実体要件は、変わっていないと思いますが、将来的には、図面の記載という実体内容のハーモナイゼーションが進めば良いと思います。

 

ちなみに、立体商標の場合は、日本では斜視図だけでも、6面図でも良いようです。不二家のペコちゃんは正面図と斜視図だったようです。

ゆるキャラなどキャラクターの立体商標は、正面図と左側面図、右側面図の3面図も多いようです。

一方、アメリカの立体商標では、一番特徴を表す図面(通常は斜視図)だけとなっています。