Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ユニクロの中国展開

2020年に日本の店舗数を超す

2017年8月10日の日経に、ユニクロの中国展開の記事がありました。2020年に1000店の計画となっており、日本の店舗数(840店程度)を超すようです。

www.nikkei.com

記事によると、次のようなものです。

  • ユニクロは、5月末時点で、中国120都市に約540店舗を展開
  • 従来は、年100店舗規模を出店
  • 今後、出店スピードを速める
  • 2020年に1000店に増やす方針
  • 現在、上海や北京など大都市では複数店舗を構える
  • 一方、地方は1~2店程度の出店
  • ユニクロ知名度が上昇している
  • 地方で集中的に店舗を出す。内陸部にも出店を検討
  • 日本の店舗数は、840店程度で、横ばい
  • 海外売上高が数年内に国内を上回る
  • 大量出店のため年100名の店長を育てる仕組み導入
  • 海外では、大卒者の採用を、ユニクロでのアルバイト経験を必須とする制度
  • 中国の医療品市場は世界最大の30兆円
  • ユニクロの中国店舗数は、外資系単一ブランドでは最大
  • 理由は、ZARAH&Mと比べ、本国に近いため
  • 中国事業を拡大し、グローバル展開に弾みをつける

コメント

 

一昨年から昨年にかけて、中国には7回ほど出張があり、ショッピングセンターのようなところで、ユニクロは良く見かけました。

日本と同じような店内装飾で、Tシャツなど、日本と同じような商品が置いてあるのですが、値段がだいぶ高いように思いました。日本の倍というところでしょうか。中国では、お金持ちと一般人の格差が大きいので、なんともいえませんが、高級品ゾーンにあることは確かです。

UNIQLOが、中国でブランド力があることは感じました。

 

ファッション業界の小売業が、海外進出する場合、商標権も多岐にわたり必要となります。小売ですので、小売りサービスの35類が基本で、後は商品をアイテム毎に登録しますので、複数分類は必要です。例えば、25類(被覆、服飾小物、履物他)、14類(アクセサリー,宝飾品他)、18類(かばん類,財布,革他)などです。また、Airismなどのネーミングも対応しないといけません。

中国の次は、アジア各国、欧米等への展開となります。

 

ユニクロの他にも、イオンなど、海外展開を加速していると思いますが、メーカーと違い小売業の商標管理体制は脆弱です。

 

メーカーには、特許を中心とした知財部がありますので、その延長で商標管理がされます。一般に、商標担当者は、商標を理解していない特許の部長の存在が悩みの種ですが、権利管理のレベルは理解していますし、結果が重要で分かりやすい商標で失敗すると、社長等の幹部に怒られますので、権利関係はしっかりサポートしてくれます。

一方、小売りやサービスでは、知財部がなく、法務や総務などが対応しますので、どうしても担当者としても副業になり、継続性や専門性に欠けます。

 

だいぶ前なのですが、今は、イオンの傘下に入っているスーパーマーケットの商標のご担当者が、以前の会社に相談に来られ、商標の更新ミスが多くて困るという話をされておられました。持ってこられたのが、B4の用紙を簡易なバインダーに綴じた手書きの台帳でした。実は、台帳でも十分期限管理はできるのですが、商標管理を良く理解されずに我流でやっておられる感じでした。

 

企業の商標管理の視点でサポートできるのが、メーカーなど出身の弁理士のいる特許事務所ではないかと思います。海外進出される小売り業の方は、そのような特許事務所を探されてはどうかと思います。

企業の商標担当者の困るであろうポイントを理解しているというメリットがあります。