「大和」「大東亜」は禁止
2017年9月1日の読売新聞に中国の企業名称(会社名、商号)のルール変更の記事がありました。禁止事項があるようで、今後設立する会社には、「大和」「大東亜」「支那」などが使えないようです。
次のような内容です。
- 中国政府が企業の設立時に登記する名称について新ルールを公表
- 新ルールでは「国や公共の利益を損なう文字を含む」企業名を禁止
- 「大和」「大東亜」「支那」などを例示して禁止
- 大和証券や大和ハウス工業など「大和」の文字を含む企業も、中国で活動
- 中国人弁護士は、すでに登記済みの企業には、新ルールは適用されないと解説
- しかし、同様の名称で関連会社を新設する場合などに問題が生じる可能性
- また、新ルールは、すでに登記されている企業名に似た名称の新規登録も禁止
- 知名度が高い日系企業が、無関係の中国企業に類似した社名を後から登録されるケースがあった
- 新ルールは日系企業の権益保護に役立つとの期待もある。
- なお、企業名には中国標準の漢字(簡体字)を使うことを義務付け
- アルファベットなど外国の文字やアラビア数字の使用を禁止
この記事の関連記事は、JETROにもありました。
企業名称の登記に新規定、禁止・制限事項が明確に | 世界のビジネスニュース(通商弘報) - ジェトロ
- 名称トラブル解決手段になる
- ピンインも排除できる
- 企業名のデータベースができる
などとしています。下記の中国のルールへの言及はあるのですが、如何せん中国語で読めませんでした。なぜか、グーグル翻訳もできませんでした。
商標と商号の衝突に着目したものですが、現時点の中国の商号のルールを解説したものに、次があります。
(中国)商号と商標との関係 « 新興国等知財情報データバンク 公式サイト
コメント
JETROの記事にありますが、企業名称禁止・制限規則が重要なのでしょうか。どこが変わったか、はっきりは分かりませんが、すこし厳しくなっているのだと思います。
- 同一の登記主管機関で既に登記・登録されている企業名称や審査・承認された同業種の企業名称と類似してはならないこと(第15条)
- 企業名に別の企業の名称が含まれてはならないこと(第17条)
- 工商総局が認定した著名商標を同業種の企業名に使用してはならないこと(第27条)
なお、大和証券、大和ハウスは、影響を受けそうです。すでに、ほとんど使われていない大東亜、支那にくべると、大和は問題になりそうです。
戦艦大和のイメージがあるのかもしれませんが、そもそも大和は日本の別名でもありますし、地域として奈良のことを指します。戦艦大和の場合も、地域名から来ているだけ、もともとはそれ以上の意味はありません。
- ちなみに、先日、ネーミングの岩永嘉弘さんに聞いた話では、日本の戦艦のネーミングは体系だっており、名前を聞いただけで、その船の役割が分かるようにしてあったと聞きました。戦艦には旧国名を、巡洋艦は山の名前を記載するとしていたようです。 そもそもは、現場の符牒としての意味ですね。
個人的に、一番、気になったのは、アルファベットの使用禁止です。株式会社SUBARUというように、現在の日本ではアルファベットが使えます。実は、中国もそうなってほしいと思っていました。
今までも、基本、使えなかったと思いますが、漢字の国のハードルはなかなか高いですね。(TCLなど、アルファベットで登記できていると聞きました。)