Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

マクセルの社名変更

ブランドスローガン・ブランドステートメント制定

2017年9月25日付けの日立マクセル株式会社のニュースリリースを読みました。

 

http://www.maxell.co.jp/news/pdf/maxellnews_20170925.pdf 

 

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日立製作所の資本比率がさがり、社名から日立が消えるというニュースは、3月末にありましたので、その実行段階ということだと思います。  

nishiny.hatenablog.com

  • 社名変更は、2017年10月1日付
  • マクセルホールディングス株式会社へ

同時に、ブランドスローガンとブランドステートメントを制定

  • ブランドスローガンは「Within, the Future
  • ブランドステートメントは「未来の中に、いつもいる」(ある程度の長い文章で、これはタイトルです。タイトルがブランドスローガンの日本語訳にもなっています)

適用対象は、

  • 企業・商品広告や商品カタログなどで利用していくほか、従業員名刺、封筒、看板など さまざまなアプリケーションへ展開

ロゴとブランドスローガンの説明は、次です。 

  • マクセルロゴの形は従来のまま
  • 色は未来への活力を示す「New マクセルレッド」が新しいコーポ レートカラー
  • ブランドスローガン「Within, the Future」をマクセルロゴに付ける
  • 「Within」に続く三角 形のアイコンは「The Growing Triangle」。右上がりの造形が「未来」「持続的成長」をイメージ

ブランドステートメントは、文章になっていますので、リリースをご覧ください。リリースの説明は次のようなものです。

  • マクセルの特徴は、「アナログとデジタルをつなぐ力」と「人とつな がる力」
  • この2つの力で、今までにない驚きを届けていくという 企業姿勢
  • 人々のくらしの自由度をひろげて、未来を動かす力になる

 

ブランドスローガン、ブランドステートメントは、ワールドワイドに展開とあります。

 

コメント

非常に面白いですね。

●スローガンは「未来感」です。

●一方、ステートメントには、未来感とともに、「人に寄り添う」の考え方があります。このあたりは、BtoCが強いマクセルらしいなと思いました。

●本来は、ステートメントをまとめたものがスローガンですので、人に寄り添うということがスローガンに入っていてもよいのですが、あえて入れなかったのだと思います。

●言わずもがなの部分であり、未来感の部分だけを切り取って積極表現し、人と寄り添うという部分は商品・サービスや広告で表現するということだと理解しました。

●戦術的に、日立的な要素を継承しているなと感じたところが、数点ありました。

  1. ブランドカラーが赤色。日立と同じ(多少違うのかもしれませんが)
  2. 「within, the Future」の「,」が三角形になっている(「Inspire the Next」の「t」のあたりにある赤いアクセントを連想しました)
  3. 看板にまで使うと言っている点(ニッチな点ですが、日立の「Inspire the Next」と同じ)

 

「within, the Future」は、ちょっと長いし、言いにくい感じはあります。

しかし、この種のスローガンは、徹底的に使い続けることに意味があり、社内外にいろいろ言う人が居ると思いますが、気にせず使うのが一番です。日立の「Inspire the Next」と同じです。

(ちなみにですが、日立の「Inspire the Next」のロゴタイプは、よく見ると、相当特徴的なデザインフォントですね。)