Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

行ってきました(ドリームの映画)

タイトルの話です

2017年11月26日の日曜日に、横浜のムービルに「ドリーム」を見に行きました。この映画、ロードショー開始のときから行きたかったのですが、今頃になってしまいました。神奈川県では、もう平塚とムービルしかやっていません。

ムービルの座席が綺麗になっているのは知っていましたが、座席が前後ジグザグではなく、また床面が階段状になっておらずフラットで、映画が見にくいという印象がありましたが、あまりお客さんがいなかったので、前後左右、独り占め状態で、何の問題もなく映画が見れました。

www.foxmovies-jp.com

映画は、NASAに勤務する黒人の優秀な女性3名が、アメリカの有人衛星の打ち上げに多大の貢献をするというものです。3名いますが、メインは、数学の得意な計算係のキャサリンです。後の2名は、一人がコンピュータルームの管理職になる女性で、もう一人がエンジニアです。

内容は、映画会社のWebサイトのストーリーにある通りです。感動的に描かれています。女性のサクセスストーリー、人種差別問題、宇宙開発と、一つでも立派な映画が十分できるテーマが、三つも詰まっています。

 

昨年、アメリカでは、観客動員数では、ドリームが、ラ・ラ・ランドを超えたようですが、それも分かるという内容です。

日本では、それほど、人気になっているとは聞きませんが、ヤフー映画のレイティングは、4.2と高いものでした。

 

この黒人女性、3人が3人とも、非常に能力の高い人です。もともと強い女性が、戦って、社会に貢献したり、地位を勝ち取るという、サクセスストーリーです。

 

映画で何回も出てくるのは、トイレのシーンで、研究棟には有色人種用のトイレしかなく、キャサリンが計算棟に何回も駆け込むシーンが描かれています。それに関係したキャサリンの爆発と、上司の行動は、映画としては見所でした。

 

さて、この映画の日本語タイトルについては、話題があります。

www.buzzfeed.com

この映画、原題は、「Hidden Figures」です。

 

一つの話題は、当初、配給会社が、邦題の「ドリーム」に、「ドリーム/私たちのアポロ計画」とサブタイトルがあったことです。しかし、この映画が描いているのは、アポロ計画の前のマーキュリー計画であり、ネット等で非難があったようです。供給会社は、非難を受けて、公開前に「私たちのアポロ計画」を削ったというものです。邦題は、日本人に分かりやすくすべきですが、ちょっとやり過ぎという指摘です。

 

もう一つの話題は、ドリーム=夢という前向きなタイトルと、原題の「Hidden Figures」との落差です。Hidden Figuresはダブルミーニングであり、一つは、「隠された人たち」で、もう一つは、「隠された数字」というものです。

前者は皆が知っている大計画の背後には知らなかった人達がいるということのようですし、後者は数字はうそをつかないという意味にもとれます。

Figureは、知っているけど難しい単語ですね。大きく、3つの意味があり、①姿(姿、体つき、人物、人間、傑物)、②図形(図、挿絵、模様、フィギュアスケート、象徴)、③数字(数字、数量、計算)とあります。

天才的な計算係の話ですので、「隠された傑物」「隠された計算」の意味が、より映画に近いのかもしれません。

 

最後に、もう一つ、このタイトル、「ドリームガールズ」を想起しました。黒人女性3名、歌が満載。何となく似ていますので、二番煎じの感がします。

 

ドリームも、悪くはないですが、出来れば原題でいけなったかと思います。