「りそにゃ」が優勝
今年のゆるキャラグランプリの優勝者は、千葉県成田市の「うなりくん」ですが、うなりくんは、ご当地部門の優勝者です。
これとは別に、企業・その他部門というものがあり、りそなグループ(りそな銀行)の「りそにゃ」が優勝しました。
2017年11月26日の日経に解説記事がありました。 www.nikkei.com
- 企業・その他部門で猫のキャラクターの「りそにゃ」が優勝
- りそなグループのキャラクター
- 昨年は、日本郵便の「ぽすくま」に引き離され3位に終わった
- 今年は、りそなの支店では、取引先や個人顧客に積極的な投票を呼びかけた
- ゆるキャラグランプリ会場には、社員をねぎらうため、りそなホールディングスの社長も登場
- CMを大量に打つお金がなく、電通のクリエーターの案を採用
- 各部署がバラバラで考案していた広告を「りそにゃ」で束ね、ブランドの打ち出し方を統一する意味合い
- 当時、大手の銀行で自社キャラクターを持つケースはなかったため、「かわいくない」「なぜ猫なのか」と、経営会議でもめた
- りそにゃの目がかわいくないのは、顧客目線を常に意識し、冷静に自分たちのサービスを見つめ、社員に向上を促す役割を込めたため
というような説明があります。詳しくは、日経電子版を見てください。
また、りそなグループは、今回の優勝を祝して感謝祭をやっているようです。
コメント
ゆるキャラグランプリに企業・その他部門ができたのが、2013年からです。企業・その他部門での歴代の上位入賞のキャラクターの中には、ポンタやドコモダケもありました。
企業が使っているキャラクターは、もっと数が多いと思いますが、ゆるキャラグランプリには必ずしも参加していないようです。
ちなみに、銀行では、三井住友銀行が、「ミドすけ」という緑色のカワウソのキャラクターを使っています。
三井住友信託銀行も、 シンジルとタクセルという二匹の犬のキャラクターを使っています。
これらのキャラクターが、ゆるキャラグランプリに参加していないのは、①「ゆるキャラ」の条件にある「着ぐるみ」ができることというのがネックになっているのか、②そもそもグランプリで優勝して有名になるという必要がなく自らの宣伝で有名にできるということなのか、③「りそにゃ」が優勝するのを待っていたのか、などではないかと推察します。
ダイキンのぴちょんくん、ソニー銀行のポストペットなどが企業のキャラクターとしては、成功例だとは思いますが、キャラクターは企業のブランドを作るうえでは有効な手段だと、改めて思いました。
リアルな人間のブランドアンバサダーは、生身の人間ですので事件に巻き込まれる危険性がありますが、キャラクターはそのような心配は不要です。
また、自社キャラクターを作れば、いくら活用しても、ロイヤルティの支払いも不要です。
海外でも、タイヤ・グルメガイドのMichelin(ミシュラン)にはミシュランマンがいますし、マクドナルドのドナルド(Ronald McDonald)などがいます。
ゆるキャラからの定義からは離れてしまいますが、スターバックスのセイレーンなども平面ですが、十分、企業のキャラクターとして機能しています。
企業のキャラクターは、少ない宣伝費の中で、統一感ある訴求をするために、非常に有効な戦略なのだと思います。
ゆるキャラは着ぐるみがあった方が良いのだと思いますが、企業のキャラクターは着ぐるみのように立体にするか平面にするかは、あまり問題ではないように思います。
「りそにゃん」は、広告訴求の統一といった困難な仕事までやってくれているとすると、非常にレベルの高いことをやってくれている訳であり、本当にありがたい存在だと思いました。