漢字と英語と(R)
楽天のロゴについての続きです。楽天のWebサイトを見ていると、次のようなロゴがブランドロゴの位置(左肩)にあります。
●すべてに共通しているのは、(R)のマークですが、なぜかRakuten Travelだけは、(R)が赤ではなく、緑になっています。Rakuten Travelの前身が、日立造船の子会社からスタートした「旅の窓口」であり、スナフキンを使ったりして、緑を基調としたブランドカラーだったのを、今も継続しているのだと思います。
(R)Rakuten Travelを一つだけ取り出してみるときには、違和感はありませんが、このように横に並べたときは、統一感に欠けます。
いっそのこと、業態毎に別のカラーにしているなら、分かりやすいですが、旅行サイトだけ赤を使わないのかは不明確です。
●証券や銀行が、漢字なのは、理解できます。日本ではローマ字を読める人が多いとはいえ、絶対読めるのは漢字、ひらがな、片仮名ですので、銀行や証券のような誰もが利用する施設は、ローマ字や英語でなくても良いと思います。
また、少し前までは、財務省が、特定企業グループの子会社であることを示すことを嫌がっていいたということもありました。
●ブックスが片仮名ですが、分かりやすい単語なので、英語でも良かったように思います。
●問題のMobileですが、横並びで見ると、やはり違和感があります。ローマ字のフォントも違います。ブランド戦略としては一貫性がないように見えます。
しかし、(R)Mobileは、短いですので、看板にすると映えます。もし、(R)Rakuten Mobileとするとすると、長い看板になってしまいます。
携帯電話事業者は数が限らているので、(R)Mobileであっても、消費者は、これは楽天のやっている携帯電話事業と十分わかるように思います。
●(R)Rakuten STAYは、STAYが全部大文字のAll Capsですし、STAYのフォントがまた違います。
このように事業が多角化してくると、本当に(R)Rakutenという一つのブランドで括るのが、理想的なのか?という意見も出てきます。
何回か読んだ、Al RIES と LAURA RIES の RIES 父娘の本では、三菱やパナソニックは何をやっているのか分からないとして、ブランド拡張しすぎの良くない例として紹介されていますが、それに近くなってきているように思います。
The 22 Immutable Laws of Branding: How to Build a Product or Service into a World-Class Brand
- 作者: Al Ries,Laura Ries
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欧米人から見ると、三菱やパナソニックは何をやっているかわからない、なんでもやっている会社は特徴がないと映るようです。
一方、アジアでは、財閥系の会社も多く、事業の多角化時も、企業ブランドが重視されます。
このあたりは、姓(Family Name)と名(First Name)のどちらを重視するかの考え方の違いに近いものがあります。
三菱を見ていると、スリーダイヤの図形は有効に働いているように思います。
最近も、三菱電機がロゴ変更して、成功しています。印象が強く残るようなったと思います。
三菱グループ各社に比べると、楽天の個々の事業ブランドは、規模が小さいと思いますが、それであるからこそ、楽天は、あまり隊列を乱さずに、統一感ある表現に努めた方が得策ではないでしょうか?
特に、(R)は緑ではなく、赤にすべきと思いますが、どうでしょうか?
三菱マテリアルも、以前は、青のスリーダイヤだった時期があるようですが、現在は赤のスリーダイヤに変わっているようです。