シンプル化で、日本製品が人気に
2017年12月9日の朝日新聞に、中国の消費者が「MUJI」ブランドを好むようになっているという紹介がありました。
従来の「派手さ」や「安さ」ではなく、「シンプル」なものを好むように変化してきているという話が出です。
事例として、「無印良品」の良品計画のホテルが中国で始まることと、中国の越境EC業で日本の商品が人気であることを挙げています。
まず、無印良品ですが、「MUJIホテル」の第1号が2018年1月に深センに開業予定で、2号店は北京に2018年3月に開業する予定のようです。北京のホテルには無印良品の店舗が入るようです。
ホテルのコンセプトは、「アンチゴージャス、アンチチープ」
だそうです。
従来、中国の消費者は、派手さを好む「ゴージャス」か、反対に安さを好む「チープ」だったようですが、最近は、消費者の志向は日本に近くなり、デザインが良く、実用的な無印良品は人気で、店舗数も210店まで増えているようです(日本は420店)。
「日本学刊」の編集者の陳祥さん曰く、
「2、3年前まで、ぜいたくな物はよいという高級志向があった。だが、本来中国は日本と同じ東アジア文化で、自然で素朴なものを好む」
という発言の紹介があります。
日本の小売業は中国進出を加速し、2016年の日本の対中投資は減ってきているのですが、卸売り・小売業だけをみると17.2%増と大幅に増加しているそうです。
中国の越境ECでも、日本の製品が売れており、売れ筋はベビー・マタニティー用品や化粧品、ヘアケア用品などとのことです。
「日本の商品は、頼んで1週間で届くので好評だ」
という越境EC事業者の言葉の紹介がありました。
コメント
確かに、東洋人はシンプルなものが好きなのだと思います。また、最後にある、中国への地理的な近さは圧倒的に有利です。よって、これから日本のサービス業の対中進出は、大きいに期待されるところです。
日本から見てですが、商標権に関していえば、冒認出願などで、先に権利を取られてしまうこともあるので、できるだけ早く、なるべく丁寧に出願しておくべきでしょう。
一方、中国は、日本や欧米の技術を学ぶところから、モノづくりで成功し、技術開発力も相当つけてきました。次は、ブランドを作る時期ということで、中国政府が数年前からブランド育成に力を入れていると聞いています。
中国ブランドで、日本でも良く知られているのは、パソコンのlenovo、通信機器のHUAWEI、電池のBYD、テレビなどのHisense、白物家電の美的(Midea)、青島ビールなどですが、最近は、アリババ(スマホ決裁のアリペイなど)、民泊の途家(トゥージア)、自転車シェアのモバイクなどのサービス企業も、日本で、有名になってきました。
そして、最後に、ファッションや小売りや飲食などのサービスが有名になると思われます。中国の飲食店としては、火鍋の小肥羊や、蘭州ラーメン 馬子禄などが日本に入って来ているようです。私は知りませんが、もっと沢山、有名チェーン店などもあると思いますので、徐々に入ってくると思っています。
日本からも中国に進出している訳ですので、反対に中国からも日本に向けても進出してもらった方が、刺激があって経済は活性化するはずです。
日本も、徐々に、加工貿易国から、技術立国を経て、金融立国(日本で大成功する可能性はそれほど高くないかもしれません)、観光立国(宿泊、レストランなどを含む。国内では成功の可能性が非常に高いと思います)にシフトするようになってきています。
この点、知財業界なのですが、金融についてはFinTechということで、技術の要素もあるので多少の注目をしていますが、観光産業については、ビジネスモデル的なものはあると思いますが、基本、発明にはなりにくいものが多く、ノーマークです。