「なんだこれ?」と思いましたが
2015年12月15日付の日経電子版で、森林環境税の導入が決まり、2024年度から導入されるという話を見ました。観光税の方は、新聞でも良く見かけたのですが、森林観光税はあまり意識がなかったので、なんだこれ?と思いました。
- 2024年度に「森林環境税」を創設
- 住民税に上乗せし、約6200万人から1人年1000円を徴収
- 23年度までは東日本大震災の復興事業費として、住民税に1000円上乗せしており、24年度から切り替え
- 国の特別会計で管理し、私有人工林の面積や林業就業者数などに応じて自治体に配分
- 戦後の復興期に大量に植林されたスギやヒノキなどが伐採期
- 山の管理に関心の低い所有者も目立ち荒廃の懸念
- 森林環境税は市町村が主体となり間伐などの手入れや専門人材の育成、木材の利用促進などに使う
- 森林は地球温暖化防止や山崩れなど災害を防ぐ機能がある
- 都市部の住民にも保全の恩恵はある
- 37府県と横浜市はすでに、森林環境税と同様の目的で独自に年300~1200円を課税。国と自治体で二重で税を徴収が課題
とあります。
日経の記事を検索すると、次の記事がありました。
- 「森林バンク」と名付けた新制度
- 放置されている人工林を集約する新たな制度
- 所有者が間伐などをできない場合、市町村が仲介役になって意欲のある林業経営者に貸与、経営規模を拡大
- 所有者がわからない森林、近くに作業道がないなど条件が悪い森林などは市町村が直接管理
- 日本の国土面積の3分の2は森林、その4割はスギやヒノキなどの人工林
- 戦後植林した木々が成長して伐採期を迎えているが、多くが利用されていない
- 現在、国産材の用途拡大が進み始めている。経営規模の拡大を通じて林業を再生する好機
- 直接的な恩恵を感じづらい都市住民の理解を得られるかが課題
- 都道府県と市町村の役割がどうなるのかについても不明
- 森林整備は必要とはいえ、新税の前に検討すべき課題が多い
コメント
最近、東海道線で、森林の仕事ガイダンスの車内広告を見ました。凛々しい林業作業員の横顔がアップになった非常に印象的な広告です。子供達に見せたら、この仕事をやりたいというような良いポスターです。
検索してみると、全国森林組合連合会などが、林業への就業支援をやっているようです。20日間、5日間、日帰りなどのコースで、林業への就業したい人にアピールしているようです。体力的には大変な仕事のようですが、作業の機械化も進み、女性も森林で仕事が可能とのことです。
林業就業支援ナビ
森林環境税ですが、地方公共団体で始めたのは、橋本知事時代の高知県からのようです。ただ、高知県では、住民が少ないので、高知県民から集めても、あまり集まらなかったようです。今回、それを都市部からも集め、600億円強のお金にして、地方に分配するようです。そもそも、地方税ではなく、国税で集めて地方に分配する方が、筋の良かったもののようですが、橋本元知事がはじめたから、今につながったという面があるように思います。
森林環境税は、地方からの要望が強いものだったようです。
全国森林環境税創設促進議員連盟-概要 - 村上市公式ホームページ
「全国森林環境税の創設に関する意見書採択」に関する陳情の例文が、趣旨を語っているように思います。
もとより、 山村地域の市町村による森林吸収源対策の推進や安定した雇用の場の確保 などの取組みは、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や地方創生等にもつながるも のであり、そのための市町村の財源の強化は喫緊の課題である。
自治体にお金が還流するのが、一番良い方法かどうかは分かりませんが、国土の保全だけでなく、地方創生の一環でもあるのですね。
ふるさと納税、今回の林業支援、23区の私立大学の定員制限など、都心のお金を地方に分配し、また、地方の人口を少しでも増やす政策が着々と進んでいるという印象を持ちました。