先住民族の長のロゴ
2018年1月31日の朝日新聞で、米大リーグのインディアンスが、先住民族の長を模したロゴをユニフォームから外すという記事がありました。
- 大リーグのコミッショナーは、インディアンスが「先住民族の長」を模したロゴを来季からユニホームで使用するのをやめると発表
- 赤い顔に白い歯を見せて笑い、頭に羽根を付けた通称「ワフー首長」のロゴ
- 偏見や差別を助長するとして、変更を求める声
- 機構と球団の協議で決まった
- ロゴは1947年から使用
- 2019年のシーズン前にユニホームから外す
- 地元ファンに親しまれていることを考慮し、本拠地オハイオ州クリーブランド近郊ではグッズなどの関連商品への使用は続ける
- インディアンスというチーム名の変更予定はない
コメント
ニューヨークタイムズには、次のような内容がありました。
https://www.nytimes.com/2018/01/29/sports/baseball/cleveland-indians-chief-wahoo-logo.html
アメリカでは、多くの大学などで、チーム名やロゴマークが、この問題で変更になっているようです。アメフトのワシントン・レッドスキンズも同じ問題を抱えているようです。
このような名称やロゴは、ネイティブアメリカンをイライラさせ、時代遅れで、人種差別的だという理由のようです。
今回、コミッショナーが動いていますが、カナダで裁判があったり、コミッショナーあてに要望があったり、大きな試合の前には抗議行動があったりして、コミッショナーも動かざるを得ない状態であり、そのため、球団のオーナーと直談判になったようです。
一方、インディアン団体の幹部は、今回の決定を評価はするものの、なぜ、1年先送りにするのかという点と、インディアンスというチームの名称自体を問題にしています。どうも、ロゴの問題では収まらないようです。
一点、面白いと思ったのは、インディアンスは、今回のロゴの商標権を放棄することはなく、スタジアムとクリーブランドエリアでロゴを使った商品の販売をすると言う点です。
商標を放棄した場合、他人がロゴを使用することができるようになってしまうので、権利を保持するためだとあります。使用主義のアメリカならではの理由付けです。地元では人気のロゴですので、使い続けたいという意図のようであり、第三者のものとなってしまうよりは、良いですよねと言っている感じです。
昔は特に問題にならなかったことが、時代の移り変わりとともに、問題となることもあり、そのときは、対応せざるを得ないこともあるんだなと思いました。