Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

顔画像の商業利用

日本は厳しい運用

2018年2月26日の日経に、店舗に設置したカメラで撮影した情報をAIが分析して、データをマーケティングに生かす動きの説明記事がありました。

www.nikkei.com

記事によると、

  • 六本木商店街の実証実験では、画像データは破棄して、統計データのみ残す方式
  • 顔画像は個人情報
  • 改正個人情報保護法に従う必要がある
  • 撮影や録画する際は、企業はあらかじめ掲示などで個人情報の利用目的を通知・公表する必要
  • 経産省の「利活用ガイドライン」あり
  • 現在の指針は、顔データを取得しないか、取得しても蓄積しないケース
  • 最近は、リピート分析で、個人の顔情報は破棄するが、個人の特徴から同一人物かどうかを判断し、行動履歴を把握し分析(特徴量データ)
  • 特徴量データも個人情報に

また、同じ紙面では、海外のルールの説明がありました。

www.nikkei.com

  • テロ対策など治安・防犯と違い、商業利用にはハードルあり
  • 英国が寛容(全国に600万台)
  • 米国は、日本と同様に漠然とした不安
  • フランス、スペインが明示的同意が必要で、不特定多数のリピート分析は不可能
  • 中国は全土に数億台の監視カメラ。政府が顔認識で人民を監視 

コメント

 

どうも監視カメラは、治安・防犯目的と商業利用に大きく大別されるようです。

事件等があったとき、最近のニュースでは、商店街などの監視カメラの映像が良く出てきます。ニュース用には顔をぼかしたりしていますが、治安・防犯目的のためには、顔を隠していては犯人を捕まえたり、被害者の足取りを追えないので、顔画像はバッチリ取っていると思います。

 

中国の監視社会のことが言われていますが、日本も、米国も、この意味ではあまり差がないように思います。米国のパトカーに備え付けてある監視カメラは、警察にとっても、逮捕される人にとっても、双方のためのシステムのようです。最近はやりのドライブレコーダーなども、ある意味、監視カメラです。。

 

この記事が対象にしているのは、 顔画像の商業利用ですが、AMAZON GOでは、顔画像を残しているはどうかは別として、顔を含めた本人確認情報を撮りまくって、分析し、何らかのデータは残しているんだろうと思います。

 

AMAZON GOは、商店街のようなフリーの場所ではなくクローズドの店舗であり、店舗に入るためにはアプリが必要です。

そのアプリを取得するためには利用規約を承認する必要があり、その利用規約で、顔画像の取扱いを通知・公表しておけば良いので、AMAZON GOでも、日本の個人情報保護法や利活用ガイドラインも満たすのだろうと想像します。

AMAZON GOは、非常に便利な店舗で、レジ待ちやレジでの支払いといった、買い物のストレスが無くなりますので、消費者にとっても魅力があり、個人情報を取得されても仕方ないと思わせるものがあります。

また、消費者には、顔画像を撮られるのが嫌ならAMAZON GOで買い物をしない選択肢があります。 

nishiny.hatenablog.com

日本の既存のコンビニがすべてAMAZON GOの方式を採用することはなさそうですが、特定の場所だけでも、あったら面白いなとは思います。

AMAZONですので、案外すぐに出来ると思います。