厚生労働省の省令改正案
2013年3月13日の日経に赤ちゃんの飲む液体ミルクの製造方法などを定めた省令案が決定さえたというニュースがありました。
液体ミルクは海外では販売されており、日本でも輸入は可能なようですが、日本では製造されていませんでした。
2016年の熊本地震でフィンランドからの支援物資として配布され注目を集めたようです。
これまで、製造方法などが決まっていなかったのを厚生労働省がまとめ、今後は、内閣府の食品安全委員会が健康への影響を評価して、夏にも省令が改正されるようです。
2016年11月14日の日経に、共同の配信記事で、経緯の説明がありました。
- 内閣府の男女共同参画会議の専門調査会が、乳児用液体ミルクにつき意見徴集
- 日本乳業協会は、消費者に受け入れられる高品質の実現には「ハードルが高い」
- 流通するとしても数年はかかるとの見通し
- 液体ミルクは海外で広く流通。無菌処理され、半年~1年ほど常温保存可能
- お湯で溶かす必要がない。子育て負担の軽減や男性の育児参加につながる
- 清潔な水が手に入りづらい災害時にも有用
- 開封すると急速に微生物が増殖し、当然ながら食中毒が懸念
- 時間の経過とともに褐色化したり、沈殿物が発生
- 生活者に許容されるのかどうかが課題
- 厚生労働省が食品衛生法に基づく省令を見直し、液体ミルクの規格を定める必要
- 専門調査会は、年度内にまとめる報告書に液体ミルクの利便性を盛り込む方針
- 規格作成のため、厚生労働省は、業界団体にデータ提出を求めている
コメント
海外で流通しているようなものなら、簡単かと思うとそうでもないようです。
熊本地震で有用性が認められ、男女共同参画社会の論点となり、業界団体がデータを提出し、規格を作り、評価して、やっと省令が改正されるようです。
他のサイトを見てみると、
液体ミルクは、粉ミルクよりも、4~5倍高くなるようです。北欧で普及。しかし、アメリカでは販売されているが普及はしてないそうです。
Wilipediaには、液体ミルクは利益が下がる商品のようで、海外では、国家予算をつけて製造して国も多いとあります。
そのためか、
業界団体の話として、省令が改正されても、まだ、2年はかかるとあります。
ちなみに、粉ミルクについて、二つ思い出しました。
一つは、有名な森永ヒ素ミルク事件です。まだ日本に製造物責任のような概念のない時代で、130名の死者が出た大事件だったようです。この事件は、日本のメーカーが、液体ミルク製造に慎重になる要因なのかもしれないと思いました。
もう一つは反対の話で、日本の粉ミルクが中国の爆買いの対象になっていることです。日本のメーカーの商品への信頼性の高さを示すものです。メーカーが、粉ミルクの品質に努めたので、海外から評価されているのだと思いました。
液体ミルクが、高くても売れるのなら、企業も製造するのでしょうが、それほど売れない可能性があるというのが気になります。また、褐色になったりするのは、あまり好まれないように思います。
消費者の認知をあげることが、液体ミルク導入成功の条件のように思いました。
広報(PR)が活躍できるタイプの話だなと思います。