Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

インスタに社員証

入社・退社の記念投稿

2018年3月15日の日経夕刊に社員証の画像をインスタグラムに投稿する人が相次いでいるという記事がありました。

www.nikkei.com

  • 入社や退職の記念に社員証の写真をアップする人が増えている
  • 2014年~18年2月末に投稿されたもので計53件
  • 大手電機メーカー、化学会社、飲食店チェーン、有名ホテル、病院など
  • 社員証には、企業名、氏名、顔写真、社員番号、生年月日などの情報
  • 就職先の選択に確信をもてない人は、いいね!が集まると安心できる
  • 仲間内で見せ合っている感覚
  • 弁護士は、画像から偽造され不審者が施設に入るなど悪用される危険性を指摘

などとなっています。

 

コメント

50~60人程度の中規模の特許事務所にいますが、社員証がありません(ちなみに、社章=バッジ、名札もありません)。

お客さんと日々接触する仕事でしたら、名札は必要だと思いますが、そういう業務でもありません。

従業員が、200名を超えると、名前を覚えるが難しくなると言いますので、その程度までなら、名札も無くても良いのかもしれません。

 

ステイショナリーは、ブランド表現において、非常に重要なものですので、そこをあまり重視していない点は、なんとかならないものかと思っています。

海外のブランドコンサルの事務所や法律事務所などを訪れた感想では、会議室のノートパッドなどにも、ホテルのようにロゴが入っていたりして、日本の事務所とは差があるなと思ったりします。

 

取り立てて写真証をインスタグラムにアップする必要はないのですが、それがアップされたからといって、偽造されて入館されるかというと、そうでも無いように思います。入館のゲートや、入室のドアは、ICで読み取るので、写真付きのカードだけで入れることはありません。

 

悪用されるとすると、顔写真を使ったコラージュ画像を作成されることが考えられますが、SNSには通常、沢山の顔写真がありますので、何も、社員証の顔写真がすべてではありません。被害もないようですので、過度な規制なのかもしれません。

 

昔は、企業のブランドガイドラインなどは、企業秘密で、偽造防止ということを言っていましたが、今は、ソフトウェアやネット関係の企業などは、Webサイトの、より積極的にオープンなところにガイドラインを置くことも増えています。

検索のしやすいところにおいて見てもらって、正しいロゴを使ってもらうという意味だと思います。

 

大昔の清刷りの時代なら、清刷りは命でしたが、現在ではロゴはデータになり、模倣品程度のロゴならば、データがなくてもカタログからでも作成可能です。ブランドガイドラインを書庫の金庫にしまう時代ではないのです。

 

社員証ですが、あったら良いなと思ったことが、2件ありました。

一つは、みなと図書館です。図書館カードを作る時、港区の会社に勤務していることを、社員証を呈示せよと言われました。事務所に社員証は無いと答えると、それでは、会社からの勤務証明書を持ってこいと言われました。

もう一つは、TOEICの受験の確認です。写真付きのものが多いので、国内発行の社員証で受験ができるのです。パスポート、個人番号カード、国内発行の運転免許証、国内発行の学生証、住民基本台帳カード外国人登録証明書在留カード特別永住者証明書と同列の扱いでした。

 

社員証は発行している会社も多く、社会のインフラになっているんだなと思いました。