システムと接客手順統一
2018年3月25日の日経に、「すかいらーく」がファミリーレストランなど傘下の約3000店で、10万人いるパートやアルバイトが、所属とは別の店舗で働けるシステムを構築するとありました。
- すかいらーくは、ガストやバーミヤンなど、約30のブランドで、3000店
- 2018年7月以降に、順次、新システム導入
- ITシステムの導入費用は、100億円
- 従来は、店長間で話し合って融通
- システムで人員募集を登録し、働きたい人がスマホで申し込む方式
- 店舗としては、新規開業時や早朝・夜の人手のない短時間などに、経験者が対応できるメリット
- 店員は、働く時間帯と場所が広がるメリット(学生など)
- 所属と違う店舗の場合、時給を上乗せ
- ブランド毎に異なっていた接客マニュアルをグループで統一
- 接客手順はスマホで動画で確認可能
- ファミリーマート、ハイディ日高、タリーズコーヒーの紹介
- タリーズコーヒーでは、応援に入ったアルバイトは所属店舗の時給と交通費に加えて数十円の時給の上乗せ
このような内容でした。
コメント
外食業界は、時給増、食材高、賃料高騰の3重苦だそうです。生産性を高める必要があり、このような取り組みが行われているようです。
この取り組みは、既に働いているパート、アルバイトの就業時間を増やす仕組みでもあるようです。
確かに慣れた人に対応いただけると助かると思います。
面白いと思ったのは、すかいらーくにはブランドが約30もあることと、パートとアルバイトで10万人もいることと、システム投資に100億円もかけることです。
●まず、約30のブランドですが、同社のブランド一覧によると、
- ㈱すかいらーくレストランツに、
ガスト、バーミヤン、ジョナサン、夢庵、ステーキガスト、グラッチェガーデンズ、夢庵、Sガスト、魚路地、chawan、三〇三、ゆめあん食堂、とんから亭、かつ久、から好し、ばーみやん軒
- ニラックス㈱に、
しゃぶ葉、むさしの森コーヒー、La Ohana、ブランブッフェ、フェスタガーデン、パパゲーノ、グランチャイナ、ブッフェ エクスブルー
- ㈱トマトアンドアソシエイツに、
トマト&オニオン、じゅうじゅうカルビ
- ㈱フロジャポンに、
フロプレステージュ
と、合計27ブランドが紹介されていました。
和・洋・中のファミリーレストランや専門店がほとんどですが、中にはブッフェスタイルのお店や、コーヒー店、洋菓子販売などもありました。一つの企業が、多くのブランドを提供しているのは、外食産業と衣料品業界の特徴だと思いますが、素直に、多いなと思います。サイゼリヤが、ほぼ単一ブランドで展開しているのとは、だいぶ違うようです。
今回は、人員配置に視点を置いてニュースになっていますが、買収した会社の事業などではバックヤード業務もバラバラであることが想定されますので、それも一挙に統一してしまうのかもしれません。
●また、10万人のパート・アルバイトという数字ですが、すかいらーくの連結の社員数が連結で6,187人とありましたので、単純計算で、社員一人あたり16名のパート・アルバイトという数字になります。
●100億円のIT投資ですが、人員配置システム、給与計算システム、教育訓練システムなどは、記事にも言及されていましたが、パート・アルバイト一人あたり10万円の投資になります。かなりの投資規模だと思いました。
バックヤードの業務は統合して、無駄を排除するという意味では、食材の発注システムや、売上高報告などの経理システムまで、含んだものなのでしょうか?
全体的に、大きく、会社を作り変えるような大作業だと思いました。
ちなみに、最近、ファミリーレストランに行くと、パッドで注文することが多くなりました。はじめは、お店が目新しさのために導入したのかと思い、また、操作が面倒だなと思っていました。
しかし、最近は都心に行けば行くほど、外国人の店員が多く、注文を受けるのが苦手な方もいるので(もし、私が海外の飲食店で働いて、接客をするとなると困るだろうと思います)、これは必需品ではないかと思っています。各国語展開できていれば、海外の人にも便利です。
このシステムの想定外の話だと思いますが、もしも大学生の夏休みのように時間が十分あるとして、1週間単位程度で、働きながら、民泊に泊まって、日本各地を回るようなことができれば、面白いかななどと思いました。