Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

私大生への仕送り額

17年ぶりに増額

2018年4月5日の日経夕刊に、首都圏を中心とする私大で、2017年に入学者した下宿生への仕送り額の調査の紹介記事がありました。月額8万6100円で、過去最低だった2016年調査から400円増えたようです。www.nikkei.com

  • 調査は、2017年5月~7月に実施
  • 東京、神奈川など6都府県の大学・短大16校
  • 保護者4554人が回答
  • 仕送り額のピークは、1994年の12万4900円
  • 仕送り額の平均から家賃平均額を引いた生活費は1日当たり817円
  • 下宿生の世帯保護者の平均年収は900万7000円
  • 受験料、住居費、4月~12月の仕送り額など、入学の年にかかる費用は、平均296万7000円(年収のの32.9%)
  • 教育ローンなどで借り入れた家庭は21%
  • 借入金の平均は過去最高の233万9000円

このような内容です。

 

コメント

元データは、東京私大教連(東京地区私立大学教職員組合連合)のWebサイトにありました。

私立大学新入生の家計負担調査 | 東京私大教連

 

世帯の「税込年収」は、自宅外通学者の世帯は、900万7000円(前年度より1万5000円増)であるのに対して、自宅通学者の世帯で919万9000円(前年度より3万4000円増)となっています。

世帯年収の900万円は多いと思ったのですが、世帯で所得がある人は平均1.7人と共稼ぎが多数のようです。

900万円というと相当な収入があるようにも思いますが、それでも仕送りをするとなると大変そうです。

 

自宅生の場合は、入学の年にかかる費用が、平均154万6000円ということで、142万1000円が下宿生との差になります。大きな負担だなと思います。

 

下宿生も、一日、817円で生活しようとすると大変です。

多くの下宿生は、携帯電話(スマホ)費用は家族割で親の負担、電気代・ガス代・水道代は親元の口座引き落としではないかと推測しました。これを入れると、1万円は超えると思います。

それでも、交通費は必要ですし、本も買う必要がありますし、映画を見に行くこともあります。

そう考えると、生協で食事をするとしても、一日817円では、とても十分とはいえないので、奨学金やアルバイトが必須になりそうです。

 

奨学金を希望する人が6割で、実際に借りる人はその6割だそうです。自宅外の場合は、借りることができる奨学金の額が高く、私立の自宅外で利息のつかない第一種は6万4000円だそうです。利息のつく第二種は、3万円~12万円だそうです。利息のつく方で、12万円も借りると、返済が大変そうです。

 

国立大学の場合も、学費が半額になりますが、下宿費用などは大差はないと思います。最近は、学費を出世払いするオーストリアの方法などが、よく新聞で取り上げられていますが、下宿費や生活費を考えると、生活費を賄うための奨学金にも同じような発想での支援が必要ではないかなと思いました。

 

少子化対策というと、保育園のことになりますが、高等教育の学費は少子化にも影響しているように思います。

大学が多すぎるのかもしれませんが、早く総合的な手を打つ必要性がありそうです。