富士フィルムが販売終了
2018年4月7日の朝日新聞に、富士フィルムが白黒フィルムの販売を終了するという記事が出ていました。
- 富士フィルムイメージングシステムズは、黒白フィルムの販売を終えると発表
- 需要が限られ、生産コストをまかなう販売量が無い
- 生産はすでに終了。国内での販売は今年10月の出荷分まで
- カラー写真の普及やデジタルカメラの台頭で販売量が急減
- 国内の市場規模は、ピークの1965年ごろの1%以下
- カラーフィルムの生産・販売は続ける
とあります。
富士フィルムイメージングシステムが、簡単なニュースリリース(お知らせ)を出しています。
コメント
工業製品の場合、かつては誰もが使っていた製品が生産終了になるケースがあります。最近では、フロッピーディスクも良く似た状況のようですし、VHSのビデオデッキの生産も終了したようです。
例えば、フロッピーディスクの場合は、FDDを内蔵するPCが使われなくなれば売れないようになりますし、VHSデッキがなくなればVHSテープも売れなくなります。
これに対して、白黒フィルムの場合は、デジカメの時代(スマホの時代)になっても、家庭のカメラは物理的には健在だと思います。使おうと思えば、使えるカメラが多数あります。
売上も、最盛期の1%ということは、全くないということではなさそうです。
結局、経済合理性での判断かなと思いました。
しかし、白黒フィルムではありますが、社名に「フィルム」が入っている会社が、フィルムを売らくなったというのは、象徴的な出来ごとだと思います。
コニカミノルタが、フィルムの生産終了をしたのとは、訳がちがいます。
検討しているかどうかは分かりませんが、富士フィルムの社名変更に向けた動きの一つなのかなと推測しました。
まだ、色々ともめているようですが、富士フィルムは、米ゼロックスの親会社になるようですし、大きく業態変更をする時期ですので、何があってもおかしくはありません。
一般に、日本には、富士や朝日という名前の会社は多く、「富士フィルム」「朝日新聞」とセットで初めて意味やイメージが出てきますが、「富士」「朝日」では何のことかわからない、弱い名称です。
カラーフィルムがまだ残っているので、当面は、富士フィルムでも良いですが、カラーフィルムがなくなるときは、社名変更を考えた方がよさそうです。
仮定の話ですが、いっそのこと、ゼロックスにするのは、どうでしょうか。短いですし、造語ですし、強いブランドです。
しかし、そのようなことが検討される時代になっても、たぶん、富士フィルムの人は「富士」に拘り、「富士ゼロックス」にするのだと想像しました。経済合理性を超えた意識の問題です。